VILTROX Mount Adapter E-Zで取り付けられるレンズを色々試してみた(2025/08改訂版)

記事改定について(2025/8/4)
2025年5月購入時のファームにいくつか不具合があり、ファーム更新毎に記事文言の打消と注釈を加えてきましたが、さすがに注釈だらけれで読みにくくなったこと、これでほぼ解消したであろうということで文面を改定しました。

ただ不具合解消されたファームが2025/6/24ということでまだ古いファームの方もおられたり、そもそも出荷時のファームが更新されていない可能性もありますので、旧ファームで検証したデータも補足として残しておきます。

またファームウェア更新については別記事にまとめてありますので、ファームアップされる方はそちらも参考になると思います。(こちらもファームアップ手順にちょっとだけ追記しました。)

最近なんとなく初ニコンということでNikon Z5を中古で購入しました。
IIではなくIのほう。
相変わらず型落タイミングの中古で遊んでいます。

Z5を選んだのは久しぶりにオールドレンズ遊びをしたくなったという理由。
ファインダーも見やすく中古価格も安いZ5はマニュアルフォーカスの母艦に丁度よさそうかなと。

しばらくはプラナーとかタクマーとか付けて遊んでいましたが、あちこち持ち出しているとやっぱりAFレンズが欲しくなるもの。

とりあえず定番の24-120mmは用意したけど現状レンズを揃えるまでは検討していないのでEマウントレンズのマウントアダプターを調査。
ちょうど最近発売されたお値ごろ価格のVILTROXさんのe-zアダプタを見つけたので購入してみました….がファームアップでちょっとしたトラブルに遭遇。

今回は2部構成で前編で製品レビュー後編でファームアップとトラブルの顛末についてを書いています。

ファームアップについてはこちらに書いています。

外観・付属品

製品名は「Mount Adapter E-Z」
ソニーEマウントレンズをZマウントボディに取り付けるAF対応アダプターです。
Amazonで27000円前後、Ali Expressで12000円前後と他社製品と比べてとてもリーズナブル。

人気商品のようで執筆している2025/6月上旬現在ではAmazonでは在庫なし。
私はAliExpressで購入しましたが到着日1週間とか書いてあるのに注文後に在庫がないと連絡が来て1ヶ月待たされました。
これってアリエクでよくある手口なんですかね?
すぐに欲しければ少々高くてもアマゾンで購入したほうが良いとは思いますが…価格差が結構あるのでスピードと安心を買うならアマゾンでも良いかと。

ちなみにアマゾンはviltorox公式ショップでの販売になります。

同梱品は以下のとおり。
・アダプター本体(前後キャップ付き)
・ファームアップ用USBケーブル
・取扱説明書(中・英・日)

EマウントとZマウントはフランジバックの差が2.8mmしかないので、やはり他マウントのアダプタと比べてとても薄いですね。
他社製アダプタもそうですが、この薄さに回路を詰め込んで剛性を担保できるのは素直にすごいと思います。

外観はメッキ調でギラギラした質感。
チープというほどでもないですが、個人的にはもう少し大人しいシルバーのほうが好みかな。

表裏にボルト接合がないため溶着ですかね。脆そうな構造は見られません。
スペックシートにレンズ重量の記載がないため不明ですが、重量級のレンズでも問題なさそうに見えます。

ボディ側はしっかりフィットします。
レンズ側で若干ガタつきがありますが許容範囲という程度。

アダプタ側のレンズ脱着ボタンは右下になります。
Z5だとFn2に少しかぶる為押しづらくなりますね。

動作検証

ということで早速動作検証です。

対応レンズについては公式から公開されています。

Mount Adapter E-Z対応レンズリスト
https://cdn.shopify.com/s/files/1/0104/0380/7298/files/E-Z_latest_compatible_list_20241030.pdf?v=1730257242

見たところ新旧Eマウントレンズを網羅している感じですね。

テスト環境

今回テストしたボディ側の環境は以下のとおり。
・ボディ:Nikon Z5(ファームv1.43)
・アダプター:E-Z_V4.1(hardwave6.0)
※2025/8/4現在の最新ファーム

レンズは私が保有していて装着できるEマウント純正、社外、EFマウント(MC-11使用)でテストしてみました。

ハードウェアのバージョンとファームウェアについて

E-Zアダプタは基盤に書かれているハードウェアバージョンによって適用するファームが違います。
2025/8/4現在、それぞれの最新ファームは以下になります。

ファームウェアダウンロードリンク

・VER5.0(4.00/4.01)
https://viltrox.com/pages/e-z

・VER6.0(4.10/4.11)
https://viltrox.com/pages/e-z-v6-0

尚、ファームアップはトラブルの可能性が0ではありません。
最悪動作不能になりますのであくまで自己責任でお願いします。

また更新方法は別記事にまとめていますので、そちらも参照ください。
https://xtra-blog.net/viltrox-mount-adapter-e-z_2/

ver3.0以前のファームでは動作不良の可能性

また現在出荷されている製品のバージョンは不明ですが、2025年5月に購入したVER6.0の初期ファームは2.0で、こちらには絞りリングの動作不良がありました。

現在のファームでは改善されていますので、自己責任にはなりますがファームアップをおすすめします。

テスト結果一覧

早速テスト結果の一覧です。
尚、この結果はHW6.0/FW4.10での検証結果になります。

Eマウント

レンズAF
SONY FE PZ 16-35mm F4 G
SONY FE28-60 F4-5.6
SONY Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary

EFマウント(MC-11経由)

レンズAF
CANON EF16-35mm F4L IS USM
SIGMA 35mm F1.4 DG HSM Art

ファームアップ以前では絞りリングでのF値が正常に反映されない不具合がありましたが、最新ファームでは正常に動作を確認しました。

SIGMA 35mm F1.4 DG HSM Artが完全動作

もう一つ意外だったのが「SIGMA 35mm F1.4 DG HSM Art」でしっかり動いたことでしょう。アダプター重ねがけしたEFレンズにもかかわらず完全に動作したのが驚きです。

シグマ+シグマの組み合わせなので相性が良いんですかね。
以前から「EFマウントユニバーサル・マウント化計画」を考えていたところなので、ちょっとシグマEFレンズを集めたくなってきました。

Exif情報

RAW現像時のExif情報について、全てのレンズでレンズ情報は入ってこないですが
・焦点距離
・シャッタースピード
・絞り値
・ISO感度

が記載されています。
AF不能だった「CANON EF16-35mm F4L IS USM」も情報が書かれていたので通信はできているようです。

レンズごとの動作詳細

ではレンズごとの動作詳細です。
一応FW3.0以前に発生していた動作不良についても記載しておきます。

SONY FE PZ 16-35mm F4 G

リング・ボタン絞り環:動作
MFフォーカスリング:動作
ズームレバー:動作
AF最新ファーム:動作

※ファームVER3.0以前
ワイド端16mm:F4~F11まで動作
テレ端35mm:F4~F6.3まで動作

SONY FE28-60 F4-5.6

リング・ボタンMFフォーカスリング:動作
AFF値全域で動作
※レンズ繰り出し前に電源を入れるとF14固定になりAF動作不能

SONY Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA

リング・ボタンMFフォーカスリング:動作
AFF値全域で動作

SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporary

リング・ボタン絞り環:動作
MFフォーカスリング:動作
AF最新ファーム:動作

※ファームVER3.0以前
F2.8〜F4まで

SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary

リング・ボタン絞り環:動作
MFフォーカスリング:動作
AF最新ファーム:動作

※ファームVER3.0以前
F2.8〜F4まで

EF16-35mm F4L IS USM(MC-11)

リング・ボタンMFフォーカスリング:動作
AF動作不能

SIGMA 35mm F1.4 DG HSM Art(MC-11)

リング・ボタンMFフォーカスリング:動作
AFF値全域で動作

まとめ

ということでNkon Z5にMount Adapter E-Zでの手持ちレンズの検証でした。
初期のファームには不具合があり少々手を焼きましたが、2025/6/24に更新されたVer4.0/4.1で解消され問題なく動作する製品になったと思います。

一つ残念なのはフランジバック差が狭く薄いアダプターのためグリップ用に設けられた縁が邪魔で、一部のアダプタが重ねがけできないことですね。
自分も「techart lm-ea7が動作するのか?」とちょっと楽しみにしていたのですが物理的に干渉して取り付けられず。
lm-ea9なら付けられそうな感じがしますが、さすがにそこまで投資はできませんでした…

あとはこのアダプターはあくまでサードパーティ製品ですから過度な期待は禁物。購入は自己責任というのは大前提でしょう。
当然ながらボディ側の仕様はカメラメーカー主導になるので、サードパーティの検証・対応にも限界があります。
社外アダプターは使いたいレンズで動いたらラッキー程度に考え、使いたいレンズが動くかの下調べはしっかり行ってから検討するべきですね。

ファームアップのトラブル

改訂版に合わせてこちらの記事ではファームアップのゴタゴタについてサッパリさせたのですが、当時ファームアップにあたって色々とトラブルがありまして…その顛末は別の記事にまとめています。
よろしければこちらもあわせてご覧ください。

12件のコメント

記事拝読しました。

7/2に新しいファームウェアが公開されていて「Addressed degraded autofocus performance when using manual aperture beyond F5.6.」と記載があります。

ファームウェアの更新をやりたくない感じはありますが、もしかするとZマウントのF5.6以降の絞り問題への対処に進展があったかも知れません。この記事でもSIGMA製レンズなどF4までとされている部分にも変化があった可能性はありますね……というご報告でした。

ご報告とお読みいただきありがとうございます!

「Addressed degraded autofocus performance when using manual aperture beyond F5.6.」
これを読んで「おやっ?」と思い改めて検証したところ、絞り環を「A」にしてボディ側で絞ることでどのF値でもAF動作を確認しました。
なるほど、AF動かないのは絞り環が原因だったんですね…改めて検証結果を見直したら全F値でAF動作確認できたのは絞り環のないモデルだったのに気がつくべきでした。
これを反映して記事に注釈を追加しました。(PZ16-35mm F4は売却したため検証できませんでしたが、おそらく同様の現象だと思います)
情報提供ありがとうございました!

あと7/2にアップされた「E-Z V4.00/V4.01 for V5.0」について。
ファームアップ解決編にも書きましたが現在流通しているハードのバージョンは5.0と6.0があるようで、おそらく今回のファームは5.0用のものだと考えられます。

ただV3.00の方には注釈で「Warning: Please confirm your E-Z adapter version before updating」とあるのがV4.00に記載がないのが不可思議ではあります。
当方の製品はV6.0なので、ひとまず今回のファームは見送りですかね…

お返事ありがとうございました!検証していただいて…大変幸甚に存じます。

そうでした、基板側のバージョン違いを失念していました。たいへん失礼いたしました。

私もSIGMA 65mm F2でテストしてみましたが、確かに絞り環の問題のようです。他のスイッチ類や手ぶれ補正などについても、ぜひ他社レンズも含めて改めて試してみたいと思います。

ありがとうございました。

あれから関係者の方に問い合わせたところ、基盤バージョン6.0でも新ファームが公開されていることを確認。
ファームアップで絞り環の動作に対応したことを確認しました。

—–
V5.0用ファーム
https://viltrox.com/pages/e-z

V6.0用ファーム
https://viltrox.com/pages/e-z-v6-0
—–
いつの間にかファームウェアのページがV5.0用とV6.0用に分かれていました。

ファームアップは少々面倒ですが、宜しければ試してみてください。

ファームウェアアップデート方法ですがUSBで接続するとE-Zと表示されるドライブにダウンロードしてきたZIPファイルを解凍した中のBINファイルをコピーするであってますでしょうか?
書き込み表示が出た直後切断したような音が聞こえもう一度表示されたドライブには何も中身が表示されません

はい、正常な挙動だと思います。

カメラに装着してセットアップメニュー→ファームウェアバージョンからマウントアダプター(MA)のバージョンが確認できます。

ありがとうございます
VER5の個体ですがVILTROX以外の中華レンズはAFが効かず、VILTROXのEF-Eマウントアダプタも同じで 以前は非対応レンズは全てF6.3と表示されていたものが作業後はF1に変わっていたのでアップデート出来ているのかな?と思いましたが確信が持てました
シグマのMC-11も持っているのでそちらを今度ためしてみようと思います
VILTROXのEマウントレンズは初期バージョンの時点で50mm F2.0 Airまで対応していたのでマウントアダプターもEF-E5なら対応してるかな?と思いましたがそちらは残念な結果でしたE4も当然駄目でした
あとソニーのLA-EA5ははめ込みの初期位置をずらしたり色々付け方を試してみたのですがこちらのマウントアダプターにはなぜか装着できませんでした。何が違うんですかね

問題なさそうで良かったです。

また検証のご報告ありがとうございます。
このページを参照された方に貴重な情報になると思います。

MC-11について、シグマはいけるっぽいんですよね。
ちなみに記事にはしませんでしたが古いタムロン90mmマクロは当然のようにAF動作負荷でした。

LA-EA5が装着できないとのことですが、物理的に干渉しているとかですかね?
こちらではTECHART LM-EA7を装着しようと思ったのですが、マウントアダプター周りのリングが干渉して取り付けることができませんでした。

その後カメラのファームウェアバージョン確認でMA4.1になっていることが確認できましたバージョンアップは無事完了しているようですご教授ありがとうございます
シグマのMC-11を試してみましたがキヤノンEFのSTMレンズ数本、シグマEFともに絞りがF1表示のまま変わらずAFは動作しないみたいでした
マウントアダプタのHWバージョンが5.0だからなのですかね?
ただこのE-ZマウントアダプタにEマウントレンズを付けてみたところFE 28-60mm F4-5.6だけは装着位置を回しながら微調整しないと認識しなかったので接触の問題も考えられますが・・・

これ以上コメントツリーが増やせないようなので返信が上下してしまいますが…

物理的な干渉は仕方ないですね。
フランジバック差が短い故にグリップするためにフチがついているんでしょう。
そのためにTECHART LM-EA9の購入も考えましたが、さすがに本末転倒なので諦めました笑

そうです物理的につかないように見えます
何かが干渉しているようで回転せず正位置まで回らないんです

生ハムさんへ

ひとまずファームアップができていたようで何よりです。

MC-11からのEFレンズの結果は芳しくないようですね。
気になるのは「F1表示のまま変わらず」という点です。
こちらではAF不能だった2本も通信自体はされているようで、ボディ側ダイヤルで絞りは連動とマニュアルフォーカス時の合焦マークの表示を確認しています。

あと改めてFE28-60mm F4-5.6を装着して回してみましたが、こちらの個体では遊びはほとんどなく接点不良のような現象も確認できませんでした。

HWの差異なのか個体差なのか…判断が難しいところですね。
もし気になるようならばサポートに連絡してみるのも良いかもしれません。

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