ちょっと前から気になっていた三脚メーカー「Leofoto」。
ネットでの評判を耳にしていたのですが、近くの量販店では取り扱いがない為なかなか購入には踏み切れずにいました。
そんな折、CP+を見に行ったときにフラッと立ち寄ったブースで実物に触れてみたところ、これが想像以上に良い作り!
丁度トラベル用に一つ欲しいところだったので、今回はLeofotoの三脚を買ってみました。
購入したのは「Leofoto LS-225C+LH25」。
コンパクト三脚なのに¥33,000と割と高めでしたが、これがちょっと感動する良い三脚なんです!
目次
Leofoto LS-225C+LH25
付属品は三脚・センターポール・調整工具とソフトケース。
Leofotoレンジャーシリーズはエレベーター式のセンターポールがないのが特徴で、高さが足りない場合はセンターポールを接合することで全長を伸ばす手段が提供されています。
サイズについては一応トラベル三脚に分類されますが、脚を180度折り曲げられるタイプが広く普及しているのでコンパクト三脚といったところでしょうか。
データは下記のとおり。
・伸長:1,233mm(センターポール装着で最長1,539mm)
・重量:738g
・耐荷重量:6kg
ある意味中途半端なサイズですが、これが実に使い勝手が良い丁度よいところを突いてきた製品。
加えてLeofoto独自の形状と剛性で、そこそこの重量を載せてもワンサイズ上の安定感です。
ちなみに素材はこのクラスなので材質は当然のようにカーボン製。
素材の品質にも拘っているようで日本製のカーボンを使用しているとのことです。
金属製パーツが多く質感の高い三脚
それなりに高価なだけあって外観もなかなか良いです。
開脚調節部のスイッチも金属パーツを使用していて仕上げも丁寧。
脚を広げる際の抵抗も若干硬めですが上品なトルク。
ツイストロック式のポールもカチッと小気味よく伸ばせます。
また脚の可動部を見ると銅製のワッシャーが挟んであります。
これは柔らかい素材を使用することで可動部の柔軟性やボルトの緩みを抑制しているようです。
こんな細部まで素材を使い分けるあたり、この三脚にかけるこだわりをひしひしと感じさせます。
軽さと安定性に貢献!センターポールレスデザイン
Leofotoレンジャーシリーズ最大の特徴と言ったらやはりコレ!他の三脚に当たり前のように付いてくるセンターポールがありません!
ほとんど使わないけど、あったほうが安心だよね…と思っているセンターポールを潔く取ってしまいました。
それがこのシリーズを選ぶ最大のメリット!
センターポールがないことで他の三脚と比べ2つの点で有利になります。
・重心が低くなり安定する。
無駄を削ぎ落とした機能美。「とりあえず付けておこう」なんて保守にまわらずバッサリ切り捨てるアグレッシブさがたまりませんね。
センターポール付きの三脚と載せ比べてみると、センターポール(とマウント部)があることによる不安定さを実感できます。
当たり前のものを当たり前としない、そういった製品開発の姿勢に非常に好意感を持てます。
付属するセンターポールを取り付ければ全長を伸ばすこともできますが、重心が高くなり不安定になるので使う機会はあまりなさそうです。
ほぼ水平のローポジション
センターポールがないことで得られるメリットがもう一つ、脚を一番広げた時のポジションがほぼ水平なくらいに低くなります。
ここまでローアングルで使う機会はなかなかないかも知れませんが、撮影スタイルの選択肢が増えるのは良いことです。
どの角度でも接地する石突
あと地味に感心したのが石突の形状。
3段階の開脚どこでもきちんと接地するよう、角度を付けたスライムのような形状になっています。
ちょっとしたところですが、三脚の安定性は石突の接地面積に大きく影響すると言われているのでこの細かい配慮は嬉しいところ。
アダプターを必要としない可変する取り付けネジ
あとこの三脚で便利なのが、3/8と1/4の雲台をどちらもアダプターなしで取り付けられる可変式のネジを採用している点です。
通常は3/8サイズの大きいネジ山なのですが、押し込むと内側の1/4ネジが現れます。
出先で雲台を取り替えようとしたらネジが合わなかったり、雲台を取り外したらアダプタがネジに残ったりといったトラブルとは無縁のよく出来た仕様。
他の三脚で採用されているかは分かりませんが、これは素晴らしいアイディアですね!
小さいけど操作性の良い自由雲台
そしてLeofotoは、三脚だけでなく雲台の作りもなかなか良い。
今回購入したLS-225Cに付属するのはLH25という自由雲台です。
小型の三脚にマッチした小型の雲台。デザイン性もさることながら耐荷重6kgとしっかりした作りです。
扱いやすい大きなノブは引っ張り出してノブ位置の調整もでき、機能性を犠牲にしないスタンスは素晴らしい。
調整ノブは一つですがこれも良く出来ていて、固定した状態から45度ほど回すとパン側が開放され、さらに回すとボールが開放されます。
軽めのレンズならばパン・ボール部を独立して取り回すことも可能。
ただΑ7IIIに24-105mmクラスの重量だと締め切った時はしっかりグリップしてくれるのですが、緩めるとすぐトルクが負けておじぎしてしまいます。
ちょっと重たいレンズを乗せるならNR-100などベースプレートでバランスを調整したほうが良いかもしれません。
クイックシューはハーフサイズと呼ぶのでしょうか、一般的なプレートの半分くらいのサイズです。
この小ささには若干不安がありましたが、これは掴んでくれます。
α7 IIIにsmall rigのL型プレートを装着した状態でもしっかり固定できました。
また三脚部と同じくスクリューの素材感や工作精度も素晴らしく、いちいち作りの良さに感心させられます。
コンパクト三脚としては高い。がクオリティも高くオールラウンダーな素晴らしい三脚
総評としては質感・機能・安定性と、どれをとっても不満点のない素晴らしい三脚です。
トラベル三脚だからという割り切りせずに通常想定されるシチュエーションはこの三脚でほぼカバーできると思います。
この三脚を使いだしたら、室内で物撮りするのにも大きく重い三脚を取り回すのが億劫になるほどに軽快で便利。
野鳥や星景など望遠レンズを使うシーンがなければこれ一本で十分でしょう。
もっと早く買っておけば良かった!
ただバランスの問題からギア雲台やビデオ雲台など、大きく重い雲台の使用はやはり不向きですね。
定点ではない動画には不向きで、スチルに関しては付属の小型雲台がベストバランスです。
三脚というカテゴリは完成された、技術的には枯れた分野かと思っていましたがまだまだ技術とアイディアを詰め込む余地があるものですね。
これから発売を控えているpeak designのTrabel Tripodも楽しみですが、Leofotoも独自性の高く誠実なモノづくりをするメーカーだと実感できました。
量販店の取り扱いが少ないですが、遠くでも足を運んででも実際に見て触ってみる価値のある三脚だと思います!
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