Macbook pro 15インチをデスクトップPCとして使うのをやめた話

MacBook Pro late2016 15インチが発売されてから間もなく購入し、これまで3年間ほどデスクトップライクに使用してきました。

具体的には、
・インターフェイス(ディスプレイ・キーボード・マウス)は全て外付け
・MacbookPro自体には触らず、オープンの状態でセカンドモニタとして設置
という使用環境です。

それまで大きく重いタワー型の自作Windowsマシンを使っていましたが、ノートPCの性能向上に伴い作業環境のスリム化とメイン環境の可搬性、加えて「Parallels Desktop」の導入によりMac/Winでのweb検証環境の一本化などが理由でした。

Late2016モデルは、発売当初に動画制作環境でのdGPUのトラブルやらキーボード不良問題など、筐体刷新の初物らしく色々物議を醸しだしたモデルでもありましたが、個人的には期待通りのとても快適に作業できる環境を得られたと思っています。
特にeGPUが解禁かエポックメイキングな出来事で、若干貧弱だったGPUもパワフルになり2019年の今でも2Dの制作環境としては申し分ないスペックだと思います。

ただ反面、自分の使い方ではちょっとアンバランスかなという考えが払拭できませんでした。
帯に短し襷に長し…という感じでしょうか。

何より、不可避な問題が発生したことが一番大きな要因です。
それらを鑑みて、自分はノートPCをデスクトップとして使用することを断念しました。
よりパワフルになったLate2019 16インチモデルは非常に魅力的なんですけどね……

今回はどうしてそういう考えに至ったか、というお話です。

問題1:思ったより持ち歩かない問題

いきなり誰もが想像できる、クリティカルな問題です(笑)
自分の環境ではほとんど外に持ち歩かないんです。

自分はWeb制作の仕事をしているのですが、フリーランスで動いている時期は打ち合わせに何度か持ち歩いていたものの、せいぜい1プロジェクトにつき2,3回程度。
性格上スタバでドヤりながら作業なんて集中できないので、基本的に家で作業しています。

会社に入れば当然自前のPCを持ち出す機会なんてほとんどなかったので、結果3年間で外に持ち出したのは十数回程度でした。

それでもモバイルPCにデータ移したり、クラウドストレージを準備したりという手間がなく、そのまんまケーブル抜いて持っていけるメリットはあったのですが、そのために高いお金出してノートで十全な環境を用意する必要があるのかは非常に疑問に感じてきました。
もちろん見合うだけの稼ぎがある人なら別ですが、自分には分不相応な出費だと思います。

問題2:重くて疲れる問題

15インチ(16インチ)のノートPCって重いんですよ。
ずっしりと肩に食い込む重さは、じりじりと体力を奪っていきます。

店頭で13インチと重さを比較した時は「なんだ、それほど変わらないじゃないか」なんて思ったのですが、実際に持ち運んでみると雲泥の差ですね。
2kgの重さは馬鹿にできません。

ましては今どきは1kgを切る超軽量PCも出ている中で、その倍もする重さのPCを持ち歩くのに心も体も疲れてしまいました……
いや性能から考えたらすごい軽いとは思うんですけどね。

eGPUが解禁された今なら13インチという選択肢もアリアリなんですが、2016年の当時は仕事で使うには心もとなかったので15インチにせざるを得なかったんです。

問題3:15インチが入るカバンがない、あってもデカい問題

これは「重くて疲れる問題」の延長でもあるのですが、PCがデカくなればそれを入れるカバンもデカくなる問題。
至極当然です。

15インチが入るカバンって意外に選択肢が少ないんですよね。
世の中のノートPC収納の前提って13インチクラスが主流なんです。

自分はカメラバッグメーカーの「クランプラー」が販売していたメッセンジャーバッグを使っていました。
カメラバッグメーカーらしからぬ、シンプルでビジネス用途でも使いやすいバッグでしたが残念ながら絶版になってしまいました。(後継モデルでCreator’s Chronicler Sling 9000というのが出ていて、サイズ的には16インチが収まりそうです。)

ただ…カバンとしてやっぱりデカくてかさばるんですよね。
電車移動なんかで座っていると横向きで膝の上に置くと隣の人に当たりそうなので縦に抱えたりします。

問題4:クラムシェルの熱問題

購入当初、同じ用に使われている方々のようにクラムシェル運用を考えていました。
ただハイスペックノートの必定、ボディがやたら熱くなります。

閉じてしまうと当然熱の逃げ場がなくなりますので、基盤へのダメージが非常に気になります。
加えて近年のCPUは一定温度まで上がるとCPU稼働率を下げて対応する機構が備わっています。
2018 core i9モデルで問題になった「サーマルスロットリング」現象がその一例です。

あと2015年モデル以前ではPCの開閉をマグネットで検知していたので、該当箇所に磁石を置いてモニターをオフにする「疑似クラムシェル」なテクニックもあったそうです。

自分は熱処理の観点とサブディスプレイの用途から、デスクにノートPCスタンドを置いてオープン状態で使用していました。
ただ15インチサイズのノートは結構デスクの面積を専有するので、比較的広いデスクじゃないと置き場所に困る問題が出てきます。

さらに言うと、メインの27インチモニタとMacbook proが離れていて視点移動が面倒でほとんど見ておらず、結果サブディスプレイとしてあまり役に立っていなかったですね(笑)

問題5:バッテリー膨張・劣化問題

そしてこれが一番の問題。
ノートPCである以上バッテリーは必ず装着されています。
であれば当然、バッテリーにつきまとう問題は切っても切り離せません。

先日とある事情でフリーランスに戻り、2ヶ月ほど家でバリバリ作業をしていると「バコッ」という異音が聞こえてきました。
最初は気のせいかなと思っていたのですが、その後PC起動からOSが立ち上がってしばらくすると度々聞こえるようになりました。

さらに異音にあわせてMBP側のディスプレイがグラグラと揺れるような表示になりました。
メインで使用しているディスプレイは正常で、MBP側の上部のタスクバーも問題なし。タスクバーより下の表示だけ不具合が出ています。
不思議な現象だけど、メインモニターは大丈夫だし丁度catalinaにアップデートしたばかりだからソフトウエア上の問題かなと思い、とりあえずその問題は保留。
何より仕事をこなさなければならなかったので、かまってられなかったのもあります。

そんな折、たまたまその時YOUTUBEで「MBPのバッテリーが膨張した」という動画を見ました。
なんでもバッテリーが膨張してボディが変形したようです。
気になってPCを閉じてみたらディスプレイが完全に締まりきらず浮いています。
デスクの上に置いてみると四隅のゴム足も設置せずガタガタしています。

つまり、うちのMBPさんもバッテリーが膨張していたようです…
また2016モデルはディスプレイにつながってるハーネスが軟弱なようで、確証はありませんがバッテリーの膨張に圧迫されてディスプレイのハーネスが接触不良でも起こしている可能性が高いかなと。

バッテリーについては適切に放・充電を行えば寿命に差が出るという話も散見しましたが、それは延命処置であって根本的な解決には至らないでしょう。
ましてや仕事のメイン機として使っていて、そこまで気をかけていられません。
なのでバッテリー問題はノートPCの宿命であり、仕事用のメイン機としては不適格という考えに至りました。

確か以前アップルは「PCの寿命は4年」とか公言していたし、3年おきに買い替えがセオリー的な話も目にしたこともありますが、30万円前後のPCをそんなに頻繁に買い換える財力はありません。
リセールバリューの高いMacだとしても、3年おきに20万近く散財するのはちょっと厳しいですよ……
そういう意味でもMacbook proはお金持ちのパソコンなんじゃないかと思い至りました。

ちなみにlate2016〜2019までのMacbook/air/proにはキーボード不具合のサービスプログラムが用意されています。
キーボードに不具合があった場合はモデル発売年から4年以内ならば、無償で修理対応するというものです。

実はこの修理プログラム、製品の構造上キーボードだけではなく、なんとバッテリーも交換されて戻ってくるそうです。
キーボード修理を実費で行うと5万円くらいするという話なのですが、察するにバッテリーも含めた金額なんじゃないでしょうか……

ちなみに無償修理にあたって「○○キーが反応しない」など明確に症状が出ていないと受け付けてくれないそうです。
うちのMBPくんは購入してすぐキーボードカバーを付けていたせいか全く症状は出ていません。悲しい。

結論:それでもMacbook Proは最高

えっ、散々ディスっといてなにそれ!という話ですが、やっぱりMBP良いですよねー。
完璧じゃないけど最高のノートブックPCです。

今回の事件でデスクの端っこに追いやっていたMBPを触ったり愛でていたのですが、改めて素敵なプロダクトだと感じました。
散々非難されているキーボードだって、久しぶりに打ってみると悪くないじゃないですか。
タッチバーはやっぱり全く触りませんが、なんか格好良いですし。OSも含めてデザインが8割のMacだし、これはこれで良いと思います。
気に入らなければHHK買って尊師スタイルで使えば良いんですよ!

こんなオシャレな筐体に据え置きPCに迫るスペックが入っているんですから、重い・デカい・脆い三重苦なんて霞みます。
ましてや2019モデルでスペックは大きくブラッシュアップされ、長年のキーボード問題も一応の解決はついた(っぽい)ですし、とても魅力的な選択肢の一つです。

自分にとっての用途や予算が合わなかったというだけで、MBPには罪はないんです!
お金持ちで、大きな心と大きなカバンをお持ちの方は是非Macbook pro(特に16インチ)を使い倒してあげてください!

課題:じゃあどうするか

お金持ちの方の話は置いておいて、自分に立ち返るとじゃあ次のPCはどうするかという話です。

まずノートPCをメイン機に据えた方向性は排除します。
Windowsに戻るのも手ではありますが、3年間使ってきたMac OSに愛着があるのでappleで検討したい。
ましてや高スペック機となるとタワーPCくらいしか選択肢がなく、これまでノートPCの静音環境に慣れた体としてはちょっと厳しいかもしれない。
4Kディスプレイやら東プレのキーボードやらI/O周りは気に入ってるし、環境は変えたくない。
あとせっかく整備したeGPUが活かせないともったいない。(winの小型ベアボーンも探してみたけど、なかなか良いのがない)

ということで、Macで現環境をそのまま移行でき、据え置き型でコンパクトで静音なPCであるMac mini(2018)に決めました!
というか既に導入しました!

発売から1年経過しているので目新しさはないですが、次回はMac mini(2018)について書いてみたいと思います。

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