堅調なミドルクラス機 Nikon z6 iii6ヶ月使用レビュー

しばらくカメラ関係の記事を書いていませんでしたが、Z6iiiを購入して6ヶ月ほど経過しました。

以前ほどカメラを持ち出す機会がなくなったり、本格的にZマウントに移行したのでレンズを少し揃えてみたり、少々忙しかったりですっかりレビューのタイミングを逃してしまったという感じ。
やっぱり何事も初期衝動とうのは大切で、機を逃すと熱が冷めてしまって動かなくなってしまうものですね….

結論から言うと自分にとってNIKON Z6iiiは理想に近い、現状とても満足できるカメラです。

基本的にスペックは平均値であまり花のないカメラですが、評価としては自分の用途にマッチしている点、カメラという道具としての感触、あとはレンズに期待するところが大いかなとも思います。
Z6iiiは最高だ!みんなこれ買ったほうが良いよ!と万人にオススメできるかと言われれば、そこまででもないかも。

人によって最適解は違いますので、そのあたりを踏まえて私はどうしてZ6iiiを選んだのか、Z6iiiを使ってみてどこが良かったのかなどをレビューできればと思います。

購入した理由

スペック詳細については他を見ていただくとして、まずZ6iiiを選んだ理由です。
前回の簡単レビューでも書きましたが、自分にとって使いやすいスペック・機能から消去法で選定しました。

ほぼ電子シャッター機として使える部分積層センサー搭載機

まずZ6iiiが部分積層センサー搭載機という点です。
部分積層センサーで2400万画素とほどほどの画素数のため、読み込みスピードが速いです。
メカシャッターも搭載していますが電子シャッターでも歪みが少なく、ほぼメカシャッターレスで運用できるスペックを持っています。

メカシャッターはどうしても消耗品という側面がありますから、最近はどんなカメラでも電子シャッターで撮影しています。
そんな自分からすると、若干オーバースペックではありますがより電子シャッターの親和性が高い積層・部分積層センサーへ期待するところが大きかったのが理由の1つです。

電子シャッターでストロボ同調ができる

そしてZ6IIIではその読み込みスピードを活かして、電子シャッターでストロボ同調をサポートしています。

これが個人的にとても大きい点です。
ブログ掲載写真など物撮りでストロボを使うので、すり減るシャッターを気にした撮影はどうしても枚数を気にしてしまうので、撮影枚数を気にせずストロボ撮影できるのが大きなメリットです。

Z6IIIの登場から2年、部分積層センサー搭載機も増えましたが意外にも電子シャッターのストロボ同調できるのってZ6IIIとZRしかないんですよね。
フル積層も含めても可能な機種はニコンだとZ8/Z9/ZR、ソニーだとα1ii/α9iii、OM SYSTEMのOM-1/m2くらいじゃないでしょうか。
ここで今回のカメラ選びの選択肢が大きく絞られました。

ちなみに例外としてソニーのVLOGカムのZV-E1。非積層ですが1200万画素の低画素機なので実現できたのでしょう。というかブイログカムなのになんでストロボサポートしてるのか…さすが変態カメラですね。

価格と重量

上の要件を設定した段階でアッパーミドル確定でお高くなってしまうことは確定です。さらに言えばフラッグシップのαとZ9は無理。この段階でニコンのZ8/Z6III/ZRに絞り込まれました。

Z8はずっと欲しいなぁと思っていたのですが新品で50万、中古でも40万はやっぱり高い。
そして何よりデカくて重いのが最後まで引っかかりました。ボディだけで910gはやっぱり重すぎるかなと。
遠出するのは基本バイクの自分としてはやはりできるだけ軽くしておきたいところでもあります。

で、最後に残ったのがZ6IIIとZRになりました。
「いやいやスチルメインならZRはないだろう」と思われるかもしれませんが、ZRはかなり正解に近い物撮りカメラだと思うんですよね。
どデカい4インチモニターのインパクトはかなりのもので、外部モニターに近い視認性は定点撮影にかなり向いているのではないかと。

ちなみにZ6IIIとZRは実勢価格で10万くらいの開きがありますが中古価格はどちらも25万前後で価格差は1万円程度。
発売から2年程度経過しているZ6IIIはでかなりこなれてきています。
価格に開きがあればある意味バーゲンプライスのZRでも良いかと思っていたのですが、価格差がほぼないとなるとこれも悩むところです。

Nikkor Zレンズが使える

次にNikkor Zレンズが使える点。
やはりレンズあってのカメラですからレンズラインナップは重要でしょう。
ラインアップの豊富さではミラーレス先行と豊富なサードパーティを抱えるソニーには負けますが、質の良さではNikkorレンズは負けていないと思います。

1年前ニコン機デビューということでZ5を買ってみたのですが、合わせて購入した「Nikkor Z 24-120mm F4」がとても好印象だったのもあって、次はニコンにしてみるかと後押しされたのもあります。

撮影体験

最後は撮影体験です。
実際にZ6IIIを握って、グリップを握って、ファインダーを覗いてみたら「あ、これだ」と思ってしまいました。
握り心地、操作系レイアウト、ファインダー像など、カメラを構えた時にとてもしっくりきたので。
最後の決め手はやっぱり感性になってしまうものです。

ということで色々理屈をこねましたが、最終的にカメラとしての感触でZ6IIIの購入に至りました。

使用感

カメラらしいグリップ・握り心地

OM-1の時も感じたのですが、やっぱり長年カメラ専業でやっているメーカーのボディは握り心地が良いですね。
これぞカメラ!という手のフィット感はさすが。
グリップのホールディングと指の引っ掛かりが良くて、意識して持たなくてもスルッと手が定位置に導かれます。

ソニーのα7シリーズもR IVから格段にグリップが良くなりましたがサイズが小さい故に重量バランスが悪いと言うか一体感がないというか、ニコンのこのグリップ感には追いついていないですね。

重量

重量はバッテリー・カード込みで約760g。
Zシリーズでは重いと言われるZ5よりも重いので今どきのカメラからすると比較的重量級でしょう。Z8は910gなので、それと比べれば軽いと思えるかな…?
それでもソニー機α7系では600g台なので、これまでソニーだった自分からするとZ6IIIはずっしりとくる重さです。

ただある程度重量があったほうが水平がとりやすいというメリットもあります。
またボディサイズ自体も大きいので、大きめのレンズを付けてもバランスは良いです。

ファインダー

Z6iiiの部分積層の次にセールスポイントなのはニコン現行機では最高と言われるファインダーです。
さすがメガネのレンズも作っているニコンだけあってZ5でも抜かりのないファインダーでしたが、Z6IIIはさらに良いです。

各メーカー画質・機能面で横並びになってしまった現在、撮影体験というバリューはこれからのカメラ選びにけっこう効くものがあると思います。
ちなみにOM-1のファインダーも結構良いので、それが手放せない理由になっています。

操作系

ニコン伝統のボタン配置というか、Z5の時も感じましたが他社と比べて少々独特と感じます。
Zマウントに移行して最も独特に感じるのはやはり拡大・縮小ボタンでしょう。

プレビュー時の拡大・縮小はこのボタンで操作するんですが、ホームポジションから指を話さないといけないのでこれがちょっと面倒なんですよね。
ダイヤル操作のほうがやりやすいんですが、そういったカスタマイズはできなさそう。

あとキヤノン・ソニー・パナソニックなどではあるコントロールホイールがないこと。
ISO感度切り替えに便利なのであると嬉しいのですがこれもニコンのこだわりですかね。

メニューも含めて操作系は慣れという側面はあるものの独特なので、他マウントからの移行だと最初は違和感はあると思います。

FTPサーバー接続(NASへの自動接続)

FTP接続についてはこれまでソニー機でしか満足のいく機能はなかったですが、ニコン機のEXPEED 7搭載機でも同様に使えます。

具体的には以下の操作が行なえます。
・設定しておけば電源ONで自動的に接続
・シャッターを切ると自動的に画像をアップロード
・外から戻ってきて電源を入れると自動的に差分をアップロード

つまり静止画についてはカードを抜く必要が一切なくなります。
OM SYSTEMやLUMIXでもFTP接続できるのですが毎回接続操作をしなければならず、これまで自分が使ってきたカメラで自動接続してくれるのはソニーとニコンだけでした。

これに慣れてしまうと正直手放せない機能になります。
データ保守という観点もありますが、カメラとNASの組み合わせはオススメですよ。

画質

Z6iiiの画質についてですが、スタンダードな2400万画素機という感じで普通ですかね。
所詮アマチュアなので画質について大きな声で語ることもできないのですが、ここからは一般ユーザーの所感として読んで頂ければ。

あと基本RAW撮りでlightroom現像、Nikkor Z 24-120mmを通してのレビューになります。

見慣れた2400万画素の画

ここ10年くらい定番として落ち着いた2400万画素なので見慣れた感じの画です。
驚きも不満も特にない。期待通りの満足する画が撮れています。

あと同光源下で厳密な撮り比べはしていないですが、同門のZ5と比べると色合いがちょっとあっさりしているかも。

ダイナミックレンジ

よく言われるダイナミックレンジの狭さですが、普通に撮影・鑑賞している分には気になることはないです。
太陽を入れるなど白飛びギリギリしたデータなどを露出を落としてみると確かに狭いかも感じますが、その程度です。

当然マイクロフォーサーズよりも全然余裕がありますし、撮影時に意図した露出に合わせて撮影していればRAW現像時に問題になることはないでしょう。

色は寒色系の傾向

Z6IIIのというかnikonの画作りの傾向ですが、色は寒色寄りで青と緑が強い傾向に感じます。
葉っぱや苔なんかは渋い良い感じですが、暖色系はやや控えめな発色に感じます。

あとISOオートだとややハイキーになるので、露出補正を-0.3くらいしたほうが色乗りは良いです。

Zレンズとの組み合わせはシャープネスが強めの画作り

あとボディの話からは逸れますが、Nikon Z 24-120mmと35mm F1.8を使ってみた感想としては、ニコン純正レンズとの組み合わせではエッジの立ったシャープな画作りという印象です。
どことなくOM-1とOM純正レンズの組み合わせに似ているというか、OM-1がフルサイズだったらこんな感じかなーとちょっと思ったりします。

また元データでシャープネスが強めなので、DxOのPureRawなどでエッジ処理などするとやりすぎなくらいコントラストが上がってしまうことがありました。
柔らかい描写が好みならF1.4の単焦点シリーズや40mm F2、タムロンレンズなどと組み合わせると良いかも知れないです。

Z6iiiの良い点・悪い点

ということでNikon Z6IIIを使ってみて感じた良い点・悪い点をまとめます。

Nikon Z6iiiの良い点

・ほぼ電子シャッターで運用できる
・電子シャッターで1/60のストロボ同調可能
・FTPサーバーに接続できる(NASに自動接続できる)
・カメラとして扱いやすいボディ・グリップ
・視認性の良いファインダー
・Nikkor Zレンズが使える

Nikon Z6iiiの悪い点

・やっぱり大きく重い
・やっぱり高い
・(他メーカーからの乗り換えだと)独特な操作系
・部分積層の恩恵が限定的
・2400万画素据え置きで新鮮味がない

正直なところ部分積層の恩恵、電子シャッター関連で使いたい機能が不要ならば非積層センサーのZ5IIで十分だと思います。

ただ新品だと価格差に10万円以上と大きく開きがありますが、中古市場だとおおよそ6,7万程度。
使用用途にその差が納得いくならばZ6IIIを選択するのは全然アリでしょう。

NIKON  Z6IIIは「けっこう良い」

ということでZ6IIIを4ヶ月程度使ってみた雑感でした。

発売当初は初の部分積層搭載というトピックがありながらも初値40万という価格と、ダイナミックレンジが狭いというネガティブな話で残念な印象があり盛り上がりに欠けた感もありましたが、使ってみると全然良いカメラでした。

堅調なミドルクラス

ナンバリングが上がったことで動画性能に振ってきたという側面もありますが、それよりもスチル機として堅調に使いやすさが向上した良いカメラになったと思います。

いたずらに高画素化に振らなかった分悪くないノイズ耐性、豪華なEVF、準ブラックアウトフリーを実現などまさに「堅調」なミドルクラスと言って良いと思います。

「スモールZ8」というバリュー

現在中古価格が26万前後とかなり手が出しやすくなったとは言え、高機能が必要なければニコンにはコスパ最強のZ5IIの選択肢があるので、ミドルクラスの中でZ6iiiは選択肢に入りにくいのは確かでしょう。

それでも電子シャッターが常用でき、ワンランク上の動画性能を搭載した「スモールZ8」というポジションのZ6IIIは一定の価値があると思います。

α7Vというライバル

ただ現在は他社でも部分積層機が登場し、何より同価格帯で登場したソニーのα7Vの存在感が大きいでしょう。

同じく部分積層でも3300万画素と高画素であること、さらに限定的ですがダイナミックレンジが拡張されたなどトピックに尽きない、α7Vは「さすがソニー」いうカメラに仕上がっているようです。
特に認識系のAFについては正直ニコンはまだ周回遅れ感は否めないところ。後発という有利もありますが、ミドルクラスという壇上でニコンはソニーに水を開けられている感はまだまだあります。

性能に踊らされず、使いたい機能・用途でのカメラ探し

そんな中で今回自分がZ6IIIを選んだ理由は電子シャッターのストロボ同調、道具としての感触、そしてZレンズへの期待です。
カメラを選ぶ理由は人それぞれですが、機能としてではなく、画作りと道具として自分に合ったものを選んだ感じですね。

今どきの、特にここ5年くらいのカメラについてはフォーマットにかかわらず画質・機能についてはほぼ横並びだと思います。
これはレンズについても言えることですね。安いレンズでも本当によく写るようになりましたし。

とは言え正直なところZ6iiiが万人に刺さる最適解か、と言われればちょっと難しい気がします。
個人的には結構理想のカメラに近いところにあるんですけどね。

とりあえず日進月歩ですごい機能がどんどん搭載され、どんどん高くなっているカメラ事情。どのカメラ・マウントを選ぶかが悩ましいですが、自分に必要な要件を整理して世代をまたいで検討してみはいかがでしょうか。

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