低価格なのに144hz、WQHDの27インチな高スペックゲーミングモニター!「Pixio PX276」レビュー

初めての高リフレッシュレートディスプレイ



PC用ディスプレイは1万円台の24インチクラスのフルHDがすっかり定番となり、価格は若干変われどここ数年仕様のスタンダードはほとんど変わってないように感じます。

appleのRetinaに牽引されて4K、5Kと高解像度モニタを各社ラインアップするようになりましたが、まだまだ高価なため一般化までは程遠い状況ですね。

そして高解像と別のアプローチで特化したモニターが高リフレッシュレート製品。ゲーミングモニターというカテゴリです。

高リフレッシュレートは2017年モデルのiPad proが登場した時にも話題になりましたね。

PCでゲーム、特にFPSをヘビーにプレイしている層ならば持っている人も多いと思いますが、特化した製品だけあってこちらも当然ながら高価な製品ばかり。

一般的なモニターの4〜5倍以上となるとおいそれとは買えない代物ですよね。

自分も気にはなるけどとても購入には至らない、という感じでした。

そんな折、Pixio様からレビュー依頼のお話をいただいたのが、今回紹介するゲーミングモニター「PX276」です。

高スペック・低価格を提供しているメーカーで、エントリーモデルのPX276はリフレッシュレート144hz、解像度WQHD(2560×1440)というスペックながら39,960円(2018年8月5日現在)と意欲的な戦略モデル。

是非にもとサンプルをお借りすることができましたので、この機会に普段使いやゲームなど色々試してみました。

尚、普段PCゲームをする習慣がないので、ゲーマー視点というよりはライトゲーマー向けのレビューとなります。

PCゲームが気になる方や、これからゲーミングモニターを探したいという方の参考になれば幸いです。


仕様

27インチのWQHDモデル



Pixio PX276は一般的な低価格モデルの24インチより一回り大きい27インチモデル。

使い始めは若干大きく感じますが、デスクに設置しての距離感で一目で見渡すのに丁度良い、個人的にベストなサイズだと思います。

24インチだと若干手狭になってデュアルモニタにしたくなるけど、横に視界が伸びすぎて視線移動が疲れるんですよね。

解像度は2560×1440のWQHD。

27インチでフルHDだとドットが大きくPC用途では文字が荒くなるので、このサイズならばWQHDが適正でしょう。

また4Kディスプレイのレビューでも書きましたが解像度が上がるとGPUにも高スペックが要求されるので、フルHDオーバーのモニターはゲームなど高い描画処理を必要とするアプリケーションの使用にはハードルが高くなります。

その点で言えばフルHDのほうが高フレームレートを期待できますが、昨今のPCならばスペックも上がっているので大きなボトルネックにならないでしょう。

そもそもゲーマーならば高価なGPUを装備しているでしょうしCPU内蔵グラフィックも4Kに対応しているものも多いので、WQHDという選択は時代にマッチした解像度だと思います。

マルチな入力端子



入力端子はDVIが1つ、HDMIは2つ、ディスプレイポート(DP)が1つの計4つ。あと音声のミニジャックのinとoutが用意されています。

HDMIについては1.4と2.0の2種類があり、ディスプレイポート寄りの端子が2.0の仕様になっています。

ゲーム用PCの場合はDPがスタンダードでしょうが、HDMI接続で144hzとFreesyncを使う場合はHDMI2.0のみが対応になります。

HDMI1.4端子はゲーム機との接続に用意されていると考えて良いのではないでしょうか。

入力端子については必要にして十分、といったところでしょう。

外観

薄型・軽量で洗練されたデザイン



ゲーミングモニターらしいスタイリッシュな外観。

イマドキの狭縁ベゼルでスッキリした印象のモニターですね。

民生用の太い縁のモニターと比べると所有感もテンションも上がるので、ちょっと高いお金を出しても良いかなと思う所。



何より真っ先にインパクトがあったのがその薄さ!

普通のディスプレイは筐体がスクエアな形状で、ケースの中にパネルと基盤・電源ユニットなどが入っているものですが、このディスプレイはパネルと基盤ユニットが別体でボルトオンされていて独特なデザイン。

モニターを横から見ることはあまりないですけど、ここまでデザインに凝ったモニターはなかなかないかも知れません。

薄くて締まったボディだけど持った時にメカが詰まっているのを感じさせるズッシリとした感触は、ガジェット好きにはたまらないものがあります。

と言っても重量も4.36kgと27インチとしてはなかなか軽量なほうでしょう。

スタイリッシュで剛性の高いスタンド



開けてみて驚いたのはスタイリッシュで細いスタンド。 27MU67-Bでは2kgもある大きく色気のないスタンドが付属していましたが、pIXIO PX276は細くてデザイン性の高いスタンドです。

面積の広い大型モニタを安定させるには、それなりに大きな足が必要になりますからちょっと不安でしたが、取り付けてみるとアルミ製で思いの外剛性も高い。

ディスプレイ自体が軽量なのもありますが、重いユニットがパネル下部に付いているので重心が低くなっているのも安定の要因でしょう。

軽量で低重心、剛性の高いボディはモニターアームへの取り付け時の安定性も考慮されているのでしょう。

機能美も含め随所に見受けられるデザインに対する強いこだわりを感じます。

使用感・画質

本製品はTNパネルなので、IPSパネルと比べると当然ながら画質は見劣りします。

物理的な仕様の差ではありますが、その差を感じるのは用途と個人差の範疇だと思うので「気になる人は気になる」という程度といっても差し支えないかと。

その差が分かる人がモニターに高い金を出さなければならない不幸な人、という程度で読んでおいてください。

 

PC側での設定

初めての高リフレッシュモニターということもあって気が付かなかったのですが、最初にPCに接続した際にリフレッシュレートの設定をしないと本領を発揮できません。

Windows、Mac共にデフォルトでは60hzの設定になっているので、モニター接続後にリフレッシュレートを変更します。

Winならデスクトップで右クリック→ディスプレイ設定→アダプタのプロパティの表示→モニター→画面のリフレッシュレート、Macならばシステム環境設定→ディスプレイから144hzを選択すれば完了です。

ちなみにMacでも普通に144hzおよびFreeSyncの設定ができましたが、Parallels Desktop上のWinでは60hz固定でした。

まぁbootcampならまだしも、仮想PCでゲームをやろうなんて酔狂はいないと思いますが…

明るさ

工場出荷状態では若干ギラツキがあるが明るさです。

ブライトネスがデフォルトで80になっていましたが、15まで落としたら自分の目には丁度よい感じになりました。

あとブライトネスを落としすぎるとモニター上下に周辺減光が見られてので、気にならない範囲で調整したほうが良いです。

コントラスト

IPSと比べるとコントラストが高く諧調表現はイマイチ。白っぽい写真を鑑賞すると比較的早い段階で白飛びしてしまいます。

ゲームユースに特化したチューニングなのかパネルの仕様なのか分かりませんが、グラフィック用途の視点で言えば割と厳しいレベル。

とは言えゲーミングモニターに求めるのはお門違いなクオリティなので重箱この角をつつくようなもの。

動画鑑賞も含め一般用途で破綻するようなレベルではないです。

視野角



これは意外にも検討しています。

斜めから見ると若干黄ばんで色再現性が落ちますが、そこまで気にならない程度。

一昔のTN液晶だったら真っ白になるくらい顕著に出ていましたが、今のTN液晶は十分許容範囲ですね。視野角を気にしてTNパネルを選択肢から外す時代は終わったようです。

グラフィックツールの使用で厳密な色を見るならともかく、少なくともゲームプレイを阻害することはないでしょう。

ブラウジング

実はこのモニターをお借りする際にこっそり楽しみだったのがコレ。

秒間コマ数の高い描画性能を真っ先に堪能するのにもってこいのテストです。

やはり60hzと144hzの差は歴然。残像感のないなめらかな動きですね! 例えるならば目の前で紙の書類をスライドさせているに近づく感じでしょうか。ヌルヌル感が気持ちよく無意味にスクロールしたくなります。

ゲーム



さて、このモニターの真骨頂、144hzでゲームをプレイしてみます。

と言ってもGPUがミドルクラスなのでガチムチなハードなゲームで高FPSは無理なので、ちょっと古めのゲームですが「AVA(Alliance of Valiant Arms)」をプレイしてみました。

  • ・intel cor i7 7700
  • ・Geforce GTX960(4G)
  • ・メモリ 16GB

サービス開始から数年経過しているゲームだけあって、GTX960でもしっかり上限で144hzまで出ました! 60hzと144hzとで比べてみましたが想像以上に変わるものですね。

明らかに視点の旋回や走った時の滑らかさが違います。

FPSはド素人レベルなのでプレイに差が出るなんてことはとても言えませんが、慣れない3Dゲームでもゲーム酔いが軽減されて心地よい没入感すら感じます。

標準的なFPSが高スペックを要求されていた頃にはとても満足の行くプレイは望めませんでしたが、PCスペックやネット回線が軒並み底上げされている現在ならミドルクラスでも十分プレイできる環境が整っているようですね。

なるほど、これならPCゲームプレイヤーも増えて高スペックモニターの需要も増えてきているのだな、と腑に落ちました。

良コスパのエンターテイメント志向ゲーミングディスプレイ



ということで今回、Pixio PX276をお借りたレビューでした。

144hz対応で27インチのWQHDと申し分ないスペック、これで39,800円とコストパフォーマンス高いゲーミングモニターだと思います。

また同価格帯の他社製品と比べて高いデザイン性は大きなアドバンテージでしょう。

ただTNパネルのため画質については多少の割り切りは必要になります。

この辺は少々辛口のレビューとなりましたが先に書いた通り気になる人は気になるという話。一般的には十分綺麗なレベルですよ。

さらに画質を優先したいならばIPSパネル採用のPX277hのラインアップも用意されていますのでこちらを選択するのが良いでしょう。

というかTN液晶でこのクオリティを出せるならばIPS液晶モデルがどれほどのものか、個人的にとても気になるところです。

今回レビュー記事を執筆するにあたってゲーミングモニターについて検索してみましたが、シビアなゲーマーはIPSパネルモデルだったり、表示領域を狭める意味で24インチを選択するという記事を散見しました。

ただ一般用途ではそこまで画質に気を使わないし、27インチくらいのほうがマルチタスクでの作業で便利だし、動画視聴の迫力も違います。

なによりTNパネル自体が安いのが大きなアドバンテージですよね。

そういった点でPixio PX276はできるだけ価格を抑えてゲームプレイのスペックを上げてエンターテイメントも楽しみたいという、ライトゲームユーザーにはピッタリな製品かなと思います。

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