現時点で最も正解に近いスチル機!α7RIV[ILCE-7RM4]レビュー

6000万画素とか意味あるの?

現在のデジタル一眼カメラは大まかに3種類の画素数に分けられます。

  • 低画素機…1200万〜1600万画素前後
  • 中画素機…2400〜3300万画素前後
  • 高画素機…6000万画素前後

一般的に手にしやすい20〜30万円の価格帯はほぼ中画素クラスのモデルになっていますが、十分すぎるくらい高画素だと思います。

なのに6000万画素なんて高画素機なんてオーバースペックすぎないか?と以前から思っていました。そもそも高いし、まぁ自分は選ばないかな、と。

しかし、カメラ選びにモヤモヤしていた2023年春、ふと気になってα7RIVの中古相場を調べてみたら20万円前半まで価格が落ちているじゃないですか。

とりあえず手当たり次第気になったものは試してみよう!」と思い立ち購入に至りました。

「この1年間に購入した4台のカメラ」シリーズの3番手、今回4機種の中ではおそらく大本命になるSONY α7RIVになります。

ボディ・操作感

α7R4はボディデザインを一新したソニーのアルファシリーズの1号機です。
これまでは今よりガジェットぽいというか、カメラっぽくなかったのがよりカメラっぽくなりました。
当時α7IIIを使っていたのですが、ちゃんとカメラしてるボディという理由だけで買い替えを検討したほどです。

グリップ

しっかり握り込めて安心感のあるグリップです。α7m3のように小指あまりもありません。
強いて言うなら親指の引っかかりが欲しいくらいでしょうか。

ボタン・ホイール

ボタンはストロークがあり形状も優先順位の差別化も図られていて明快な操作感。ダイヤルの感触もクリック感があって良いです。
グリップもそうですが、やっぱりこの世代からソニーもちゃんとカメラになったんだなぁと感じます。

メニュー

メニューは現行機で刷新される前の横並びスタイル。
「ソニーの旧メニューは使いづらい」「新メニューを触ったら旧メニューは使えない」みたいな話をよく聞きますが、そんなに酷いですかね?
正直自分としてはどちらも大差ないと思います。

処理エンジン

BIONZ X世代の画像処理エンジンなので、レンズにもよりますが色味は若干寒色に傾倒しています。
色については好き嫌いなので正解はないですが、ソニーの硬質な描写には合っていて硬い被写体には向いていると思います。

描写

6100万画素の精細な描写!

まずこれを語らないことにはこのカメラを語れませんよね。

高画素機の感想を一言で言うなら、
高画素機すげー!
です。

緻密な描写

やっぱり情報量の多いというだけで何か圧倒されるものがありますね。
いつものようにシャッターを切っただけなのに、戻って現像してみると「何か違うぞ」と感じさせられます。

みっしり情報が詰まっているこの感じ、クセになります。

ただもしかしたら、これを体感するにはそれなりの鑑賞環境が必要かも知れないです。
スマホなどでの閲覧は1000万画素もあれば十分という話なので、4Kなど高精細なモニターでないと差はわかりにくいかも知れません。

高画素センサーは広角レンズこそ活きる

あと広角レンズのほうが情報の緻密さを味わうのに向いていると感じます。
等倍鑑賞にして奥の方に写ってる小さな被写体の細かいディテールとか、見ているとウホッとなりますよ!
高画素機はやっぱり風景撮影に向いていますね。

トリミング・APS-Cクロップ

APS-Cモードの撮影でも画素数約2620万画素になります。
昨年α7RIVに16-35mmのみで旅行にでかけたのですが、望遠端35mmがクロップで50mm付近になるので、標準域まで広角ズーム1本で済んだのは楽でした。

カメラ側のAPS-Cクロップなら、その焦点距離で構図を決められるので便利ではありますね。

ただせっかくの高画素機ですから、基本的にはきっちり6100万画素使って撮影したいもの。トリミング前提の撮影はつまらないと思います。

意外に気にならない高感度ノイズ

画素ピッチが狭い高画素機での一番の懸念点は高感度ノイズ
物理的に余裕がないので、当然中画素機よりノイズは乗ります。

ただ高画素ということはノイズの粒も小さいので、等倍鑑賞でもしない限り実は意外と気になりません。
自分的にはISO1600なら余裕、ISO3200辺りからノイジーになってきたなというなので、暗所で撮影とかでなければ全然余裕があります。

あとlightroomのノイズ除去がかなり強力なので、後処理前提ならば星だって結構撮れたりします。

高画素機って使いづらいイメージだったんですが、意外とオールラウンダーなんですよね。
旅スナップの用途ならば画素数は「大は小を兼ねる」と考えても良いと思います。

ちなみに上の写真は「TTArtisan 21mm F1.5」で撮影しました。
マニュアルフォーカスですが、比較的安価でそこそこ星も撮れるので「たまに星を撮りたい」程度の用途ならば持っておいても良いと思います。

Α7RIVの悪い点

さすがハードウェアのソニーだけあって、AF性能も十分ですし撮影にあたって欠点らしい欠点はありませんが、大きなファイルを扱うことにつきまとう問題と、高画素故のレンズを選ぶ問題があります。

ファイルサイズが大きい

6100万画素にもなると画像は9504×6336となるので、ファイルはそれはもう大きくなります。
RAWデータで1枚約120MB。2000万画素クラスの4倍くらいですかね。

SDカードの撮影枚数もそうですが、撮れば撮るほど保存ストレージの残量が気がかりになります。
あとこのデータサイズになるとRAW現像にあたってPCのスペックが気になりだしますね。

SDカード・ストレージ・PCなど、状況によってはカメラ・レンズ以外に投資が必要になってくる可能性が出てきます。

カメラのレスポンスが若干遅い

これも大きなファイルサイズの影響ですが、カメラ操作のレスポンスにも影響があります。
画像を保存する、再生する、拡大するなどカメラ内の画像操作系の操作をすると少し待たされます。

体感ですがV60のSDカードで、再生ボタンを押してから表示されるまで1〜2秒程度でしょうか。

最新機種のα7RVやα7CRなどではプロセッサの向上で改善されていると思いますが、6100万画素初号機ですからいたしかたないでしょう。

ある程度グレードの高いレンズが望ましい(と言われている)

誰が言ったか、誰が決めるのか分かりませんが、高画素機はレンズを選ぶと言われています。
ソニー基準で言えばGレンズ以上
ある程度レンズのクオリティが高くないと高画素機はキッチリ解像しないだろう、という話ですね。

一応自分が主に使っているは

  • SONY FE 24-105mm F4 G OSS
  • SIGMA 35mm F1.4 ART
  • CANON EF16-35mm F4L IS USM

の3本です。
どれも各メーカー上位ブランドというのもあり、使った感想としてレンズ側が不足しているという感じはなかったですね。

ただ、先に掲載した星空写真で使用した「TTArtisan 21mm F1.5」は中国メーカーの4万円程度の安いレンズですが、これでも十分解像してると思うんですよね。

明確な線引きはできないので、使ってみないと分からない。でもそこそこお高いレンズを用意したほうが無難ですよ、という感じで捉えておけばよいかと思います。

Α7RIVレビューまとめ

Α7RIVの良い点

  • 旧世代だが最新高画素機と同じ6100万画素センサー搭載
  • 緻密な高解像度の写真が撮れる
  • ノイズは出るが粒が小さいので実は気にならない
  • 意外とオールラウンダー
  • WIFIで直接PC(NAS)にデータ転送できる(ZV-E1の新メニューに見当たらなかったので消された?)
  • 中古市場価格22万前後とお買い得!

Α7RIVの良い点

  • データが重いため、SDカードと保存ストレージを圧迫する
  • カメラ内で保存、再生など画像操作のレスポンスが若干遅い
  • 解像度を担保するならちょっとお高いレンズのほうが良いかも?

スチル重視なら現段階で最も正解に近いカメラ

最新鋭の高画素機と同じセンサーを積んだカメラが22万円(2024年4月時点)なら、もう十分買いでしょう!

どうしてもより速いAFが必要だ!ということならばα7RVを買えば幸せになれるんじゃないででしょうか…倍の価格ですけどね。

Α7IIIからの買い替えにはベストの選択

特に買い替えとしてオススメしたいのは、現在ソニーの中画素機を使用しているユーザーですね。

例えば…というかまさに自分のケースなんですが、α7IIIを使っていて買い替えを検討した時まず第一候補に入るのは同じ中画素クラスの最新機のα7IV(か小型版のα7cII)だったんですよ。
ただ同じクラスのカメラに乗り換えて、果たして買い替えコストに見合った満足感・体験が得られるのか疑問に感じました。

もちろんAFが進化してたり4K10bit動画が撮れたりと性能アップは望めるのですが、正直スチルで得られる画像については3000万画素になったところでそこまで変わらないかなーと。

ならば旧機種になるけどα7IVよりも安く、且つα7IVの2倍の解像度センサーを搭載したα7RIVはどうだろう?という流れで購入に至った訳です。

乗り換えの結果はここでも散々書いているように非常に満足しています。
特に自分のように旅先スナップがメインならば得られるメリットは大きいと思いますよ。

低画素機も高画素機もなんで必要なのか、なんで売れてるのか、というのはやっぱり実際使ってみないと分からないですね。
1年使ってみた自分の結論としては「現段階でα7RIVはスチル重視なら最も正解に近いカメラ」です!

不思議と高画素機は中毒性というか一度使うと謎の快楽があって、手放してもまた使いたくなる魅力があります。
高画素機導入に懐疑的だったり躊躇いのある方は、間違いなくこれまでとは違った映像体験が得られるので、ぜひ一度手にとってみてください。
α7RIVはスチル重視の方なら間違いなくオススメしたい機種です!

今回比較したカメラ

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