機材紹介:マイクロフォーサーズ編
現在のメインカメラはフルサイズ機のCANON EOS 6Dですが、いかにフルサイズ機の中では軽量でもさすがに気軽に持ち歩くには厳しいです。
そこで活躍するのが懐刀のマイクロフォーサーズ機。
パンケーキレンズにたすき掛けのストラップを付けてお散歩カメラとして重宝しています。
ボディ:OLYMPUS PEN miniE-PM2
オリンパスのエントリークラス機。
終焉したエントリークラス
2012年10月発売で既に廃盤の機種。
マイクロフォーサーズの中でもより小型軽量で画質も良い機種でしたが、残念ながら現在PENミニの後継機は発表されていません。
以前からオリンパスはフラッグシップからエントリークラスまで搭載するセンサーが同じ為、同世代なら画質がほぼ変わりません。
ですので上位機種の売り上げに影響があったりしたのかと邪推してしまうところです。
「OM-D画質」は伊達じゃない!
OLYMPUS PEN miniE-PM2は同社の「OM-D E-M5」で初搭載されたソニー製センサー機の末っ子に位置します。
それまではノイズに弱く画素数の底上げもない同一のパナソニック製センサーを4,5年採用し続けユーザーを落胆させていたのですが、このセンサーによりマイクロフォーサーズ機の評価が一変します。
その劇的な変化から当時「OM-D画質」という言葉が生まれ、ミドルクラス~エントリークラスに順次採用されたソニーセンサー機は好評を博しました。
ちなみにその後パナソニック製センサーも大幅に改善され、非公表ですがOMD E-M1に採用されたという話です。
軽量・コンパクトは立派な機能
コンパクトなボディなので操作系は制限されますし、ボディもプラスチック感がありチープな外観です。
しかし信頼できる画質とコンパクトなサイズは道具を持つ喜びを感じさせてくれる。
そういう点ではエントリークラスの普及機ですが、案外玄人向けの製品なんじゃないかな、と思ったりします。
マイクロフォーサーズのメリット
ボディを含めたシステム全体で小型軽量を実現
センサーサイズとレンズの大きさは比例する
カメラでよく「最小最軽量」なんてキャッチコピーはよく聞きますが、APS-Cサイズ以上のカテゴリではボディは小さく作れてもレンズはどうしても相応のものになってしまいます。
それはセンサーサイズとフランジバックの都合上、光学的に無理が出てくるからです。
一部の例外はあるでしょうが、画質をスポイルすることなく大きなセンサーサイズに小さなレンズを作ることはなかなか難しいようですね。
マイクロフォーサーズのセンサーは面積比でフルサイズの1/4の規格です。(ちなみにAPS-Cは面積比でフルサイズのおおよそ1/2)
センサーサイズが小さいことで光学的に無理のない設計で小さいレンズを作ることができるので、システム全体で見て非常にコンパクト!
ちょっと出かける時にとりあえず軽量なパンケーキレンズ。でもちょっとズームが欲しい時があるかも・・・と標準ズームを追加で持って出かけるのも苦になりません。
ちょうど良いサイズの「マイクロフォーサーズ」
先に挙げたとおり、マイクロフォーサーズは他の一眼カメラカテゴリの中でセンサーサイズが少し小さい規格です。
他にも一眼カメラでは、マイクロフォーサーズより小さいNIKON 1やペンタックスQシリーズなどもあり、一口に一眼カメラと言っても各メーカー様々な規格のモデルが販売されています。
センサーサイズが小さいとノイズが乗りやすい、高感度に弱いなどのデメリットはまだ確かにありますが、日常用途に関してはそれも昔の話。
フォーサーズ規格ができてからマイクロフォーサーズ機出始めの頃までは、昔からのユーザーとして心苦しいですが正直ひどい有様で、とても人に勧められるカメラではありませんでした。
しかし技術の進歩により今では普段使いには全く不満のない、万人に勧められるカメラに成長。
弱点だったセンサーサイズがシステム軽量化など貢献し、画質・サイズともに「ちょうど良いサイズのシステム」に成熟しました。
2社から選べるボディと豊富なレンズ群
新技術に意欲的なメーカー
現在マイクロフォーサーズ規格のカメラはオリンパスとパナソニックの2社が製造しています。
以前はデジタル一眼レフの主要メーカーと言えばキヤノンとニコンでしたが、後発の2社は新しい技術を意欲的に投入し、徐々にシェアを獲得してきた歴史があります。
例えば今ではデジタル一眼カメラに当たり前に搭載されているライブビューやバリアングル液晶はオリンパスが、手ぶれ補正技術はパナソニックが先駆けになった技術です。
マイクロフォーサーズは「フォーサーズ規格」を擁立してデジタル一眼レフカメラを排出していたオリンパス・パナソニックの2社が2008年に策定した規格です。
以前は2社ともファインダーのあるデジタル一眼レフカメラのラインアップだけでしたが、センサーサイズをそのままにファインダー機構を撤廃、フランジバック短縮、マウント径縮小することで小型軽量を実現しました。
マイクロフォーサーズ策定後も電子ビューファインダーや動画撮影、アートフィルターなど、これまでのカメラファンにはタブーか色物とも捉えられかねない機能も積極的に取り入れる2社の姿勢は変わりません。
他メーカーは興味がなかったのか機能よりも性能を重視したラインアップを進めますが、一般層への定着を見てか後に追従するかたちで各機能を採用していきます。
そういった点でマイクロフォーサーズ機はデジタル一眼カメラの門戸を大きく広げると共にトレンドリーダーといっても過言ではないでしょう。
成熟したレンズ群
またこの規格を堅実に成長させようとするメーカーの真摯な取り組みによって、着実にレンズのラインアップは増えていき、現在は広角・望遠・単焦点・マクロまで抜け目ないレンズ群が既に完成しています。
近年はライカ(正確にはライセンス供与を受けているのパナソニック製)やシグマなどサードパーティのレンズも充実してきて、ユーザーにとって魅力的な選択肢も広がっているのも嬉しい点。
ミラーレスカメラのカテゴリの中で、マウントシステムとして熟成している点もマイクロフォーサーズの大きなメリットと言えます。
マイクロフォーサーズのデメリット
センサーサイズの大きさ
センサーサイズは大きければいいのか?
そう聞かれれば「もちろん大きいに越したことはない」と答えるでしょう。
基本的にデジタルカメラの原理として受光素子に光を集めてデータ化している以上、受光面積が大きい方が有利になるのは当然です。
いくら技術進歩があったからと言っても、その技術進歩分フルサイズセンサーも進歩する訳で、差の縮まらない追かけっこみたいなものです。
実用範囲での有効性
ただ物理的な、光学的な差はソフトウェアによって補完されつつあります。
スマートフォンのカメラでも少し前のコンパクトカメラクラスの画質で撮影できるように、マイクロフォーサーズも少し前のAPS-Cクラスの高感度・ノイズ耐性を獲得しています。
もちろん精密な撮影やRAW現像で修復や表現の幅などを考えるとセンサーサイズの大きさは有利に働きます。
それでもマイクロフォーサーズも徐々に不得意分野が解消され、実用範囲での有効性をしっかり保たれている規格に成長しましたので、日常使用にはデメリットにはならないと思います。
操作性
ボディサイズと操作性はトレードオフ
ボディサイズが小さくなると操作性はスポイルされるので、一眼レフと比べると操作性は若干悪くなります。
コンパクトなモデルになるとダイヤルは背面のみでボタン類も小さくなるので、ちょっとした撮影設定の変更も億劫になります。
タッチパネルの操作性
物理操作の代替として最近のモデルではタッチパネル操作できるものがあります。
OLYMPUS PEN miniE-PM2にも搭載されていますが、これは一長一短ですね。
小型カメラということはもちろん液晶も小さいので、当然表示されるボタン類も小さくなります。
また設定の階層をたどる作業は同じなので直感的な操作とまではさすがにいきません。
ただ、AFと撮影をタッチパネルでできるのは結構便利。
三脚撮影の時などはAFもシャッターもタッチパネルで済むので重宝します。
操作性は割り切ってスナップを楽しむ
ミラーレスでも各社ミドル~ハイエンドモデルですと2ダイヤルものもありますし、オリンパスのPEN-FやFUJIFILM X-T1など露出補正ダイヤルの付いているものもあります。
ですので一概には言えませんが、ミラーレスでは操作性は割り切ってスナップ撮影を楽しむのがベターな用途だと思います。
まとめ
以上がマイクロフォーサーズの雑感になります。
私はオリンパスはE-500からのユーザーなので、読み返してみてちょっと贔屓しすぎたかな・・・とも思わなくもない記事になってしまいました。
ただ文中にあるように、今のマイクロフォーサーズ機はどれを買っても満足のいく万人に勧められるカメラなのは確かです。
あとデジモノの宿命で前世代の機種が投げ売りされていますが、2,3世代前のエントリークラスでも十分な性能です。
「どんなものか試してみたい」という方にも手を出しやすいのは嬉しいところじゃないでしょうか。
後日レンズのレビューも書く予定ですので、宜しければそちらもご参照ください。
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