VILTROX Mount Adapter E-Zのファームアップで動作不能になった件(解決済)

さて、製品レビューした「VILTROX Mount Adapter E-Z」ですが、ファームアップでトラブルに見舞われました。
ある意味ここからが今回の製品レビューの本題だったりします。
前記事に製品レビューと手持ちレンズの動作確認などしておりますので、製品にご興味のある方はこちらをご参照ください。

結論から言うと、関係者の方のサポートもあり現在無事に正常動作しています。
ということで、今回は同マウントアダプターのファームアップにまつわるトラブルの顛末になります。

ファームアップ手順

さて今回ファームアップについてですが、手順については説明書に書いてあるもののトラブルシューティングについては調べても全然ヒットしませんでした。
比較的新しい製品であることとニッチな用途であること、あとはファームアップする人があまりいないからなの調べてもかなかなか情報が出てきません。

なのでまずファームアップの手順から説明して、私がつまずいた点を挙げていきます。

1.公式からファームウェアをダウンロード

公式サイトで頒布されてるファイルをダウンロードします。
※基盤に印字されたバージョンによってファームの種類が変わりますので注意してください。

E-Z Mount Adapterファームウェア

・VER5.0
https://viltrox.com/pages/e-z

・VER6.0
https://viltrox.com/pages/e-z-v6-0

展開すると入っている「.bin」ファイルがファームアップデータになります。

尚、ファームには末尾が0のものと1のものが含まれています。(例:4.00/4.01)
これらは
・x.x0は標準設定でレンズ手ぶれ補正が有効
・x.x1は標準設定でレンズ手ぶれ補正が無効

の違いのようです。

2.付属のUSBケーブルでアダプタを接続

PCに接続すると「E-Z」という名前のストレージとして認識されます。

3.「.bin」ファイルをストレージにコピー

{バージョン名}.binファイルを「E-Z」ストレージにコピーします。
V3.00とV3.01など2つ入ってますが、両方入れておけば問題なさそうです。

4.自動的にストレージが再認識されたら完了

コピーが完了すると自動的にストレージが取り出されて、ストレージが空の状態で再度認識されます。

カメラに取り付けてバージョンを確認

最後にカメラに取り付けて認識されているファームのバージョンを確認します。

本体・レンズと同じく「セットアップメニュー→ファームウェアバージョン」から確認できます。
「MA」となっているのがマウントアダプター。

更新したバージョンが表示されていればファームアップは完了です。
お疲れ様でした。

ファームアップの注意点

ではファームアップにあたっての注意点と今回私がハマったポイントを列挙します。

注意点1:アダプターの接続が接点むき出しでゆるゆる

まず注意すべきが、アダプタとUSBケーブルの接点がおそろしく頼りないこと。
このアダプタはコネクタが存在せず、むき出しの基盤の穴にピンを差し込むスタイルなんです。

正直最初に見た時「いやいや、こんなはずないだろ」と思いました。
どっかにUSB差込口があるだろうと全体を見回しましたが、ここに差し込むのが正解です。

説明書にもここに刺せと書いてあるにもかかわらず別にコネクタを探したのは、穴に対してピンが細くゆるゆるなんです。
ケーブルのたわみで接触が外れると当然PCから認識されなくなります。
なのでアップロード時は写真のように傾けて端子から抜けないようにしておくか、手で押さえておく必要があります。

ファイルサイズは小さく転送時間は数秒なので気をつけていれば問題ないとは思いますが、アップロードにはとても神経をつかいますね…

アダプタのサイズやコスト面のハードルがあったのかも知れませんがマグネットコネクタを用意するか、せめてピンがしっかり刺さるサイズにしてほしかったです。

注意点2:Macではストレージを認識しない(と思われる)

次にこれは公式にもマニュアルにもおそらく記載はないのですが、Macではストレージを認識しません。
最初M2のMac miniに接続していて接点が不安定なのもあり接触不良かと何度もトライしていたのですが、一向に認識されず途方に暮れました。
その後もしやと思いサブのwindows機に繋いだらあっさり認識。

個体差とかたまたま接触が悪かったとかそういう可能性を否定することもできませんが、少なくともこちらで十数回施行して一度も認識されなかったのでMacに対応していない可能性が高いです。
メーカー側で認識している問題ならば、そのあたりの注釈も欲しいところです。

注意点3:ハードウェアのバージョンによってファームが違う

上記2点のハードルをクリアしてようやくファームアップだ!と作業したところ…アダプタが認識されなくなりました。
ちなみにバージョンは2026年6月上旬の執筆段階で最新版としてアップされているv3.0
購入して1日立たずに文鎮に…

とりあえずサポートにメールを送り、あわせてひょっとしたら誰かがコメントで助けてくれかもと期待してXにつぶやいたところ、なんとVILTROXの関係者の方がコメントを拾って連絡をいただけました。
詳細は省きますがXで関係者の方に相談して状況を確認、その結論からサポートからβ版のファームの提供をしていただいて無事復活

ちなみにXへのコメントは当日、サポートからのメール返信は翌日届きました。
一般ユーザーへのサポートなんて数日待たされるだろうと期待していなかったのでVILTROXのサポートはとても良心的ですね。
トラブルのない製品・サービスを提供されるのが一番ではあるのですが、素早いサポートというのは評価できます。

詳しく聞くところまでは至っていませんが、その時のやりとりを踏まえて2025年6月現在のファームウェア状況の考察です。

「E-Z V3.00/V3.01」には問題がある(らしい)

ニッチな製品なので情報ソースは非常に少ないですが、その関係者の方のお話と海外のBBSの書き込みを見る限りどうやらファームウェアv3.0に問題があるようです。

どういった問題かまでは分かりませんがv3.0でも動いているという書き込みもあったので、一部機種への互換性の問題ではないかと考えています。

2025/7/9追記
現在の最新バージョンはV5.0では4.00/4.01、V6.0では4.10/4.11となっています。

絞り環付きレンズにおいて、リングでのF値設定に問題がありましたが、このバージョンで解消されたことを確認しました。(基盤バージョンV6.0にて検証)

ハードウェアのバージョンの違い

関係者の方に相談した際「基盤に印字されているVERは5.0か6.0か?」という確認がありました。
どうやら流通している製品は2種類のバージョンがあるようです。
そしてファームウェアもそれぞれ基盤のバージョンで適合が違うようです。

ちなみに自分は2025年5月末にAli Expressから到着したものでVER6.0でした。

ファームウェア「E-Z_V4.0(hardwave6.0)」で復活

上記のようなやりとりでサポートからファームウェア「E-Z_V4.0(hardwave6.0)」を提供してもらい復活しました。

おそらくまだ検証中のベータになると思うので公開されていませんが、同様の症状で認識されない方がいましたらハードウェアのバージョンを確認してサポートに問い合わせてみると良いと思います。

2025/7/9追記
現在「E-Z V4.10/V4.11 for V6.0」にて、絞り環の動作不具合が解消したことを確認しました。

Mount Adapter E-Zファームアップは慎重に

ということで「VILTROX Mount Adapter E-Z」のファームアップにまつわる顛末と注意点でした。

そもそもカメラにしてもファームアップは自己責任の範疇になるので、壊れても泣かない覚悟はしておきましょう。
まぁ使用上問題なければ積極的にトラブルを抱え込むようなことはしないほうが良いですよね。

今回不幸中の幸いだったのは、VILTROXのサポート対応が丁寧でスピーディだったことですね。
特にX経由でコメントをいただいた関係者からは日本語で丁寧なやりとりをしていただけたのがとても助かりました。

手厚いサポートがあるとやはり安心して購入できるというもの。
今回VILTROX製品は初めて購入しましたが、気になるレンズもあるのでこれからチェックしてみたいと思います。
ありがとうVILTROX!

3件のコメント

マウントアダプターにもファームアップがあるのですね。
しかもそれがカメラ側に表示されるとは。

マウントアダプターは基本はMFになると聞いたので
(一部AFできるのもあるようですが)
ハードルを感じますが、すごく興味はあります^^

そしてノイズ除去の件ですが、Lightroomとか有料のRAW現像ソフトにしかないと
思っているのですが、kchikuさんもやはりLightroomを使用されているのでしょうか?

メーカー純正・サードパーティ含めてAF対応のマウントアダプターって実はそこそこあるんですよ。
変わり種だとライカMマウントのオールドレンズをAF化するやつとか。

積極的に導入はおすすめできるものでもないですが、マウント変更とかで前マウントのレンズ資産がある時には一時しのぎには良いかなと。

現像ソフトはLightroom使ってますが、ノイズ除去とかの前工程にはDxOのpureRAWをよく使っています。
https://www.dxo.com/ja/dxo-pureraw/
ノイズ除去効果についてはどちらもほぼ同等なんですが、線が太くなりがちなマイクロフォーサーズのデータを綺麗に補正してくれるので、スモールフォーマットのデータと相性が良い気がします。

一応補足でpureRAWは現像ソフトではなくRAWデータを綺麗にするだけのアプリです。
他にraw現像アプリを使っていてノイズ除去だけのためにlightroomを契約するならば、買い切りのpureRAWのほうが経済的かなと思います。

無料体験版もあるので試してみるのも良いかと思います。

ご教示いただきありがとうございます。

なるほど、RAW現像ソフトだけではないんですね。

pureRAW初めて知りました。
そして買い切りタイプがあるのですね!それはちょっと興味が湧いてきました。
まずは無料体験版を使ってみることにします。ありがとうございます^^

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