amazonで約1700円と破格のハイレゾ対応DAC
ミュージックプレーヤーと言えばスマホがメインストリームになって久しい昨今。
CDも聴くこともなくなり、ipodやウォークマンなどシリコンプレーヤーも一部の愛好家を除いてすっかり過去のもの。
また音楽配信も一般的になり音楽がお手軽になりましたが、反面音源はMP3など圧縮音源を簡易的なプレーヤーで聴くなど、リスニング環境は決して良いものではなくなってしまいました。
もちろん音にこだわるなら高級ポータブルプレーヤーやスマホにDAC(デジタル・アナログ・コンバーター)やポタアン(ポータブルアンプ)という手はありますが、大抵その手の製品はお高い上にかさばるもの。
価格もさることながら、スマホを2台持ち歩くようなサイズ感に、興味はあるけどなかなか手が出しにくいカテゴリです。
今回、そんな自分のような「そこまで本気出したくないけど、ちょっと良い音で聴きたい」という方にもってこいの製品を購入してみました。
それがちょっと前から一部で話題になっているエレコム「EHP-AHR192SV」です。
目次
発売当初16,000円が約1/10の投げ売り価格
まず驚くのがUSB-DACが約1700円と、とってもリーズナブルな点。
しかも最初から安かった訳ではなく、発売当初は相場が16,000円とそれなりのお値段のしたモデルだったこと。
それが1年半あまりで1/10と、投げ売り価格になっているのが驚きです!
元値が10倍となると、ちょっと性能も期待してしまいますよね!
そもそもDACとは?
人に語れるほどの知識も耳も持っていませんが、分からない方へざっくりと説明を。
DACとは「デジタル・アナログ・コンバーター」の略で「ダック」と読みます。
和訳すると「デジタルデータをアナログデータへ変換する機器」という意味です。
本来スマホやPCなどで聴いているMP3やm4aなどは0と1の数値で構成されたデジタルデータであり、そのままでは音として認識できません。
なのでそれを人間が聴けるよう、これらの機器の中でデジタルからアナログへへ変換(コンバート)している訳です。
ただスマホやPCの中は多くのノイズが多く発生していて、その影響で変換された音は劣化してしまいます。
そこでそのノイズを解消する目的でノイズ源から離れたところまでデジタルデータを送りデジタル→アナログ変換する製品がDACというわけです。
ちなみにDACは本来データ変換する機能のものでアンプは内蔵していません。
ただイヤホンやヘッドホンなど低出力のものならば大抵まかなえるので、DACにはヘッドホン端子が装備されているのがほとんどです。
EHP-AHR192SVもその一つで、スマホから供給される電力でヘッドホンアンプとして機能します。
外観
さて、前置きが随分長くなってしまいましたが、外観から見てみましょう。
なかなかに高級感のある佇まい。
立派な化粧箱に鎮座している姿はとても1700円とは思えません。
また外箱にも書かれている通り、このDACはハイレゾ対応の製品です。
と言ってもハイレゾ音源を揃えている人はもっとお高い製品を持っていると思います。
まぁ対応していないよりはしているほうがなんとなく良さそうな気がする、という程度ですかね。
ハイレゾがもっと普及してくれば話は別ですが、現状自分はさほど興味がありません。
製品・付属品
中身は本体と説明書、ポーチが付属しています。
シンプルなデバイスなので説明書は読むまでもないですね。
サイズの割にズッシリとした重みとひんやりとした金属の質感はなかなか高級感を感じさせます。
センターのボタンは問題ないですが、十字に配列された音量・曲飛ばしボタンは小さくくぼんでいるので若干押しづらいですね。
マイクロUSB端子はL字型なのですぐ断線してしまう心配もなさそうです。
裏面はクリップになっていて、ポケットやバッグのストラップにフックできます。
かさばらないサイズとはいえ持ち運ぶものが増えると邪魔になるので、クリップは有り難い点ですね。
またクリップは360度回転できて、90度ごとにクリック感があるところに設計者のちょっとしたこだわりを感じられます。
さっそく聴いてみた
さてさて、いよいよ肝心の音の感想です!
ハイレゾ音源はアルバム1枚だけ持っているのでそちらは良いとして、イヤホン・ヘッドホンはハイレゾ非対応のものしかないのでアレですが下記の機材で聴いてみました。
- スマートフォン:Zenfone Go
- ヘッドフォン:ゼンハイザー MOMENTUM On-Ear
- イヤホン:SHURE SE112
少々味付けは濃いが音の輪郭がハッキリする音
貧相な耳の持ち主なので参考程度に、という前提ですがハッキリと音の変化は感じられました。
これはPC用の安価なDACを導入した時にも感じたことですが、直挿しと比べてモヤが晴れたような、一皮剥けた輪郭がハッキリした音になります。
特に低音楽器のベースの音はDACなしだとボワーンと鳴って音程が分からないですが、DACを通すと心のある音になっていくらか音程も追える感じです。
良く言えばクリアで歯切れのよい、悪く言えばデジタル臭い冷たい音ですね。
よく言われる「今まで聞こえなかった音が聞こえるようになる」というのは正鵠を射た表現ですね。
その分音圧が強くなったような感じがします。
味付け的には高音と低音が強調された、所謂「ドンシャリ」な傾向があるかと。
人間は0か1かじゃないんだ!白か黒かじゃなくグレーなのが人間だ!アナログの温かみが安心するんだ!という方には好まれない音かも知れません。
あと空間的な音の奥行きも広がりも感じました。
まぁそこは音源にもよるのでしょうが、概ね音が分解されて聞こえるので例えばライブ音源などでは楽器の立ち位置なんかがよりリアルに感じられるようになります。
ヘッドホンよりカナル型イヤホンのほうが相性が良い
あと個人的にヘッドホンよりカナル型イヤホンのほうが相性が良いな、と感じた点。
耳の中を圧迫される感じがあまり好きじゃないのと、さほど高くないイヤホンなのもあって使用頻度の低いSE112ですが、モメンタムと比べてSE112のほうが音質の向上を感じられました。
というかSE112のほうが個人的に好みの音を鳴らしてくれます。
物理的に耳と音の距離が近いとか、遮音性が高いとか、単純にパワー不足などの理由はあるのでしょうが、女性ボーカルのブレス音やビブラートが鮮明になり、ヘッドホンよりDACのキャラクターを強く表現しているように感じました。
本機導入にあたっての注意点
さて安価にリスニング環境を向上させてくれる本機ですが、いくつか注意点があります。
ios端末には非対応
注意点としては外箱に書かれている通り、android端末に対応した製品で残念ながらiphoneには非対応。
変換アダプタを使って接続しても残念ながら使用不可のようです。
windows10に対応しているのでPC用DACとしても使用可能!
ただ記述はありませんがwindows10にも対応しています。
デスクトップPCはもちろん、サウンドカードを増設できないノートPCにも接続できるので、PC用DACとしても活用できます!
Zenfoneだとスリープ時に再生できない
これは通勤時に使用していて気がついたことなのですが、ASUSのZenfoneシリーズはスリープ時にUSBからの給電が切れるのか、DACからの再生が止まってしまいます。
どうやら回避する設定がないようなので、DACでの再生時はスリープをオフにする必要があります。
他メーカーのスマホではどうなのか分かりませんが、事前にレビューなどで調べておくと良いでしょう。
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