スタイルもスキャンもスマートな新感覚のポータブルスキャナ「CZUR Shine」レビュー(商品提供)

不遇のデバイス「スキャナ」

これまで当ブログではPCはもちろんキーボード・マウス、ディスプレイ、デジカメ、デジタルオーディオ等いろいろなデジタルガジェットを取り扱ってきました。
単純にガジェット好きが講じてアレコレと手を出していただけなんですが、スキャナって全然食指が動かなかったんですよね。
というかスキャナって一般人からすると、多機能プリンタの付属機能でたまにコピー機代わりに使う程度の認識でしょう。

昔はフラットヘッドスキャナを買ったりしましたが、場所を取る割に使用頻度も低かったのもあってすぐにホコリを被り、二束三文で売り払ってしまったのは良い思い出。
自炊ブームの時にシートフィードスキャナを検討したこともありましたが、裁断したりゴミ出ししたりと面倒なので導入を却下。
以後スキャナというデバイスが気になることはありませんでした。

紙媒体をデジタルデータする楽しさを再発見

そんな感じで長らくスキャナレスのデジタルライフを送っていた訳ですが、今回「CZUR Shine」のレビュー依頼を頂きまして初めてオーバーヘッドスキャナというジャンルがあるのを知りました。

上記のような経緯があり最初はスキャナに対してあまり期待するところはなかったのですが、これがなかなかに面白いシロモノ。
スマホで名刺管理とかで画像のデジタル補正技術が進化しているのは知っていましたが、スキャナも面白いガジェットに進化していたんですね!

フラットヘッドスキャナのようにジーコージーコしている間中フタを押さなきゃならない手間もいらないし、背表紙のノリを剥がして裁断して準備する必要もない。
紙媒体をデジタルデータに変換して保存する、その楽しさをストレートに感じるデバイスだと感じました。

といことで今回はCHAM Japan様よりご提供いただいた最新ポータブルスキャナ「CZUR Shine」をレビューいたします。

尚、この製品は2020年11月6日までクラウドファウンディング「Makuake」にてプロジェクト公開中ですので、そちらもチェックしてみてください。

外部リンク:誰でも簡単1秒でデジタル化!デスクライト兼用多機能ポータブルスキャナーShine[makuake]

目次

開封・付属品

カッコよい箱です。
外箱からして製品の気合の入りようが伝わってきますね。

オープンするとこんな眺望。
apple製品など高級品でお馴染みの隙間なく密着した梱包。
スーッと空気を抜きながら取り出すのはちょっとした快感です。

付属品は下記の通り。

・シート
・フットペダル
・USBケーブル(usb A to B)
・指サック
・ドライバCD
・説明書

外観・仕様

ソリッドで美しいフォルム

無骨なガジェット感は皆無で、誇張しすぎないロゴも非常にオシャレですね。
卓上ライトとして紹介されても全く違和感のないデザイン。

というか、とてもこれがスキャナだなんて思えません(笑)

重量1kg!持ち運びもできるポータブルさを実現

このスキャナがスキャナらしくないポイントはその外観だけでなく、これまでにない軽量・省スペース化を実現したこと!
重量は1kg、サイズは長辺で335mmとリュックに十分収まり無理なく持ち運びもできます。

ちなみにその重量からアームを伸ばした時に不安定になるかと思いましたが、重量バランスが良くとても安定しています。

シンプルなインターフェース

「スキャン」という機能に特化した製品なので、インターフェースもライトのON/OFFボタンだけと非常にシンプル。

クリック感があり堅牢な可動部

カメラが取り付けられたアームの可動は若干硬めですが、クリック感があり堅牢性・高級感を感じるヒンジ。
軽量で比較的リーズナブルな価格帯の製品ですが、こういった人の感性に触れる部分に手を抜いていないのは好感が持てます。

1300万画素のカメラを搭載

これまでのスキャナとオーバーヘッドスキャナの最大の違いがこのカメラ。
可動アーム部に取り付けられた1300万画素のカメラで紙面を読み込む方式です。

ちなみにカメラを両端から挟み込むように配置されているのがLEDライト。
小さいながらに明るく、程よく拡散してくれて柔らかめの光が照射されます。

最大A4見開き(A3)サイズまで対応

スタンドを伸ばせばA3サイズまで対応できるので、書籍だけでなく雑誌やフライヤーなどのスキャンにも使えます。
行方不明になりがちな取説なんかをデジタル保存するにはもってこいでのサイズ感です。

便利な付属品

オーバーヘッドスキャナという特性上、両手がふさがっても作業ができるようにフットペダルが付属。
また見開きを固定する指サックも付属します。
(後述しますが指検索が優秀なので指サックがなくてもほぼ問題ないです)

外部接続端子は2つ

スキャナのベース背面にはPCと付属のフットペダルを接続する2つのUSB端子があり、フットペダルがタイプA(平型)でPC側がタイプB(角型)になります。どちらもUSB2.0。
給電はPC側からになるので別途電源は不要です。

久々に見ましたタイプB(笑)
転送スピードについての問題はないでしょうが、プロダクトの高級感に合わせてUSB-Cを採用して欲しかったところです。

使用感

1秒のスキャンスピード!

スキャン時間は1秒と非常に高速。
アプリのボタンまたはフットペダルを押すとPC側で即座に補正処理に入ります。
正直スキャンしているという意識をする間もなく終わっているという感じです。

100ページのスキャンが約5分!便利な「自動めくり検出」機能

これが非常に便利な機能で、ページをめくるのを自動判定してスキャンを実行してくれます。
フットペダルも便利ですが、正直この機能があれば必要を感じないくらいです。

また自動判定の精度とディレイ時間も絶妙で、カメラから手が離れてから一呼吸置いたくらいでスキャンが実行されます。
スキャン時間は1秒。PC側で画像処理のタスクが動いたのを確認できたらスキャンは完了しているのでまたページをめくる。これの繰り返しで次々と取り込んでいけます。

サクサク進められると一連の動作をおおよそ3秒くらい、100ページのスキャンが約5分で終わりました。
これはなかなか感動ですよ!

ちなみに意地悪でページをめくった後しばらく手を離さないでいたのですが、手を離すまでスキャンは開始されませんでした。
自動認識と言いながらタイマーなのでは?と邪推していましたが真面目に見ているようです(笑)

指サックを使わなくてもだいたいOK

ページ押さえ用の指サックが付属していますが、使わなくても指を検出してくれるモードがあります。

これもなかなか使える機能で、完璧ではありませんがかなり良い精度で指を検知して消してくれます。
この製品の売りである高速スキャンの長所を活かすなら、多少の指の映り込みは気にせずサクサク進めるほうが理想的じゃないかと思います。

紙面に合わせたページ処理方法

紙面の種類に合わせたページ処理方法が5種類用意されています。

・フラットペーパー
・湾曲した本
・結合側
・手動範囲指定
・元のまま処理しない

この中で一番よく使うのは「湾曲した本」でしょう。
その名の通り、開いた本の湾曲を補正してくれる機能です。

作業スピードを優先でラフに開いてサクサク進めてみたところ、背表紙側(中央部)と端の湾曲部に被写体深度によるボケが確認できましたが、読むのには問題ない感じ。
完璧ではありませんが、平面ではなく立体物をスキャンしていることを考えると十分な補正効果があると考えて良いと思います。

PCスペックで差が出る補正処理時間

一点気になったのはPC側での処理時間。
スキャン自体はサクサク進むのですが、PCスペック(若しくはOS)によって補正処理がタスク待ちになっていてデータ保存まで時間がかかるようです。

surface Pro6(CPU:Core i5/メモリ:8GB)では、100ページのスキャン終了後、体感で5分以上は処理に時間がかかっていましたが、Mac mini(2018 CPU:Core i7/メモリ: 32GB)では次のページの準備をしている間に補正が完了しているので、ラグを意識することなく作業できました。

CPU、GPUのどちらが重要なのかは分かりませんが、サクサク作業を進めるにはそこそこのスペックが要求されそうなので留意しておいたほうが良いかも知れません。

画質

次に肝心のスキャン結果を見ていきます。

文字の可読性は良いが若干太る

カラーモード「自動補正」だと文字の読みやすさを優先してか、若干フォントが太ります。
とは言え従来のスキャナでも同様に太るので差異はないレベル。
デジタル印刷以前の、写植機で印刷したようなべったりインクの乗ったような雰囲気が出て、これはこれで悪くないかも。

画質は色滲みやスミアなどもなく十分綺麗

カラー印刷の写真や文字も悪くないですね。
A3見開きの場合カメラが遠くなる影響もあってか若干輪郭がぼやけますが、安価なカメラで撮影したような色滲みやスミアなどは見られないので十分鑑賞に耐えられます。
そもそもカメラとスキャナとでは用途も期待するレベルも違ますし、記録用ととしては全く問題ないです。

保存形式はjpg。pngが選べても良かったかも

品質にあまり影響はないかも知れないが、web界隈ではテキストものを画像化するのはpngが定番なのでちょっと気になるかな、といたところではあります。
ただスキャン後にTIFF書き出しもできるので、品質にこだわるデータはTIFF保存をしても良いかな?

画像サイズは今回テストしたノベルスで1612pxx2524px、A4見開き(A3)で4160pxx3120pxでした。
大きくもなく、小さくもなく丁度良いサイズ。
高精細なスマートフォン、タブレットでの鑑賞では十分でしょう。

ジャンル別比較

次に本のジャンルによっての相性を確認してみました。

書籍

まずは小説や専門書など、モノクロの書籍をスキャンしてみました。

気を使わなくても湾曲補正は良好

先に書いたように1ページの作業を3秒間隔でサクサクと、あえてデリケートにせずやや乱雑にスキャンしてみたのですが、ページ両端の湾曲部分の補正は綺麗に処理してくれています。
厳密に真っ直ぐにはなりませんが、読むのに違和感は感じません。

ナナメはちょっと気になる

ただ雑にめくりすぎてページ自体がナナメになってしまっているのは補正が効かないようです。
文字の流れに対しては補正をかけてないからでしょうか。
それでも読めなくはないのですが、綺麗にスキャンしたいならページの角度には気を使ったほうが良いかも知れません。

オススメ設定

カラーモード:自動補正
ページ処理方法:湾曲した本

雑誌

次にA3サイズまでスキャンできるメリットを生かしたA4サイズの雑誌。
光沢紙で写真が多い紙面をスキャンしてみました。

光沢紙だとLED照明の反射が出てしまう

予想はついていましたが真上から至近距離の点光源を照射するので、紙面の真ん中に反射がでてしまいますね。
光源が小さいので面積は小さいですが、一部が完全に白飛びしてしまいます。
加えて平面に置いている為室内の照明もモロに反射してしまうので、綺麗に撮影するならスキャナの設置場所も考えたほうが良いでしょう。

試しに部屋のライトを消してスキャンしてみましたが、増感による劣化はほとんど感じませんでした。
拘るならば部屋を暗くして、反射しない位置からLEDライトなどで照らせば綺麗にスキャンできます。

カラーモードはケースバイケース

カラーモードの「自動補正」は文字を読みやすくする補正が主のようで、シャープネスに加えて輪郭を浮き出すようなエフェクトが加えられます。
その影響で写真が不自然な写りになるのでグラビア雑誌などはカラーモードを「カラーモード」にしたほうが、コントラストは落ちますが自然な雰囲気でスキャンできます。

テキストが主なら「自動補正」、写真・イラストが主なら「カラーモード」と使い分けたほうが良いでしょう。

雑誌に「湾曲した本」モードはややクセがある

厚い冊子のスキャンに便利な「湾曲した本」モードですが、これがちょっとクセがあります。

このスキャナ本来の目的が文章のスキャンというスタンスなのか、雑誌のような写真の多い紙面を「湾曲した本」モードでスキャンすると、ありえないくらい歪むことがあります。
紙面の開き方なのか、湿気によって紙が波打っているからなのか、発生条件や頻度は測りかねるところではありますがそういった場合は「フラットペーパー」か「元のまま処理しない」を選択したほうが無難ですね。

オススメ設定

カラーモード:カラー
ページ処理方法:フラットペーパーor元のまま処理しない

カタログ・取扱説明書

最後にページ数の少なく湾曲も小さい冊子です。

スキャナの特性と相性抜群!

ページ数の少ない中綴じものの冊子は、やはりこのスキャナと相性が良いですね。
見開きA3のものが多く折りの段差が少ないので、素直にスキャンしてくれます。

家電を買ってきたら開封後に取説をササッとスキャン。
デジタル保管を習慣づけておけば行方不明にならず、いちいち取説を探すのに部屋中をひっくりかえすこともなくなるでしょう。

尚、スキャン時のモードは「フラットペーパー」がオススメ。
自動処理を行うと写真が変に加工されてしまう恐れがあるので、チェックは外しておいたほうが良いでしょう。

オススメ設定

カラーモード:カラー
ページ処理方法:フラットペーパー

ラフにサクサクとデジタルデータ化するのに最高のデバイス

ということで、せっかく面白いデバイスを提供いただいたので自分的に色々テストしてみました。
結論としてこのスキャナは、

・非破壊でスキャンしたい
・過大なクオリティは求めず、情報として保存できれば良い
・手間なくスピーディにスキャンしたい
・気が向いたらサクっと何でもデジタルデータ化したい

という方に非常にオススメできるデバイスだと思いました。
このスキャナを導入するメリットは、一般的な印刷物をほぼカバーできるサイズとスピード。
普段本を読む感覚でめくっていくだけで、何なら本を読みながら次々とスキャンされていく様はちょっと感動しますよ!

反面クオリティについてはもう一歩、といったところが見られます。
決して悪くはないし記録としては十二分の画質ではあるのですが、どうしても文字のデジタルデータと言うと電子書籍がベンチマークになりがちなので、そこまでのクオリティは正直難しいと言ったところ。
カメラ故に発生する被写体深度によるボケ、湾曲補正など、まだ「スキャナ」の範疇を超えられていないのは事実かと。

とは言えデジタル補正技術の進化は目覚ましいものがあるので、ソフトウェアの成熟で十分対抗できる見込みはあるんじゃないかと期待しています。

真骨頂はポータビリティとスピード感!

何よりスキャナの真骨頂は、いつでもどこでも手間なく瞬時にデジタルデータ化できるそのポータビリティとスピード感!
気が向いた時に何でもサクサクスキャンするには最高のデバイスでしょう。

紙媒体のデジタル保存が身近になる新感覚の製品なので、スキャナを使ったことがない、プリンタ複合機を持っているけどスキャンは億劫で使ったことがない、という方に是非試してもらいたいです!

クラウドファウンディング「Makuake」でプロフェクト公開中!

今回紹介した多機能ポータブルスキャナ「CURZ Shine」はクラウドファウンディング「Makuake」のプロジェクト支援で購入できます(2020年11月6日まで)
この製品が気になった方は一般販売される前におトクに購入できる今のうちに!

外部リンク:誰でも簡単1秒でデジタル化!デスクライト兼用多機能ポータブルスキャナーShine[makuake]

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